子供の症状の判断がつかない場合「もしかしてアレルギーかも?」とアレルギーの可能性が頭をよぎりますよね。
今や子供たちを悩ませている病気の中で最も多いのは、アレルギー疾患ともいわれ、国民の2人に1人は何らかのアレルギーをもっていると言われています。
アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎アレルギー性結膜炎などが代表的なアレルギー疾患ですが、その中でもダニは子供のアレルギーを引き起こす大きな要因となっています。
「もしかして」と思ったら、症状がひどくなる前に、早めに皮膚科や小児科・内科などの医療機関に相談してみましょう。
そこの記事では、アレルギーの仕組みや症状、その原因や対策についてお伝えします。
厚生労働省の報告によると、H26年で全人口の2人に1人が何らかのアレルギー疾患にかかっていることが分かっています。
そして、アレルギー性喘息やアトピーなどの症状を持つ人の7~8割はダニやハウスダストが原因と言われています。
今やダニの対策は必至の様な気がしますね。
— ダニとり専科|ツイッター部 (@danitorisenka) April 5, 2019
目次
アレルギーはなぜ起きる?アレルギーの仕組み
●アレルギーは体を守る「免疫」の過剰反応
アレルギーとは、本来細菌やウイルスなどの病原体が入ってきたときに体を守る役割である「免疫」が、食べ物や花粉など体に害を与えない物質に対しても、過剰に反応し、自身にマイナスの症状を起こしてしまうことを言います。
「(広義の)アレルギーとは 免疫反応に基づく生体に対する全身的または局所的な障害である」。
引用:厚生労働省
●アレルギーの起こる仕組み
花粉、ダニ、ハウスダスト、食品など、アレルギー反応を示すアレルギー物質「アレルゲン」は人それぞれです。アレルギー反応はIgE抗体というタンパク質が主な原因となり以下のようにして引き起こされます。
アレルゲンが呼吸や食事、皮膚の接触などによって体内に入ると、IgE抗体が作られます。作られる抗体は人によって違い、卵白であれば卵白に対するIgE抗体、ダニであればダニに対するIgE抗体が作られます。
そうして作られたIgE抗体が、皮膚や粘膜(目、耳、腸、気管支)の近くにあるマスト細胞と結合します。再びアレルゲンと出会うとマスト細胞から分泌されたヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質が分泌され、かゆみや息苦しさ、鼻づまりや炎症など様々なアレルギー症状を起こします。
※ただし、新生児・乳児消化菅アレルギーなど必ずしもIgE抗体が原因でないアレルギーもあります。
アレルギー反応の分類としては、
- 血中抗体による液性免疫反応に基づくアレルギー I、Ⅱ、Ⅲ型
- 感作リンパ球による細胞性免疫反応に基づくアレルギー Ⅳ型
に分けられ、花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの代表的なアレルギー疾患は「Ⅰ型(即時型)」です。I型はアレルゲンが体内に入った直後や数時間以内とい短時間で反応を起こす「即時型」とも呼ばれ、これにはIgE抗体が関係しています。
有名なアナフェラキシーショックも「Ⅰ型(即時型)」のアレルギーに分類されます。
アレルギーの原因物質アレルゲンの種類
アレルギーを起こす原因物質は主に「食物アレルゲン」「花粉アレルゲン」「環境アレルゲン」などがありますが、他にも金属や繊維・化粧品・薬が原因となる場合もあります。
アレルギーと一口にいっても、様々な種類があり、原因を特定するには検査を受ける必要があります。疑わしい症状が発現したら、まずは医療機関を受診するようにしましょう。
食物アレルギーの症状
食物アレルギーの症状で、最も多くみられるのは「かゆみ」「じんましん」「赤くなる」などの皮膚症状が約9割※1なっています。呼吸器・粘膜・消化器症状なども同時または別々に現れます。
花粉症の症状との違い
花粉症の症状は主に、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「目のかゆみ」です。アレルギー性鼻炎は、季節性の鼻炎と、一年を通して症状の現れる通年性の鼻炎とがあり、花粉症は季節性の鼻炎です。
鼻水・・・水のようなさらさらした鼻水
鼻づまり・・・口の乾き、咳が出やすくなる、におい・味がわからない、眠れない
目のかゆみ・・・充血、目やに、痛み、涙、瞼の腫れなどアレルギー性結膜炎のことも
その他・・・皮膚のかゆみ、咳、のどの痛み、熱っぽさ、頭が重いなど
参考:花粉なう
ダニが原因となって引き起こすアレルギー性疾患
ダニが引き起こすアレルギー性疾患は主に、「アトピー性皮膚炎」「気管支喘息」「アレルギー性結膜炎」「アレルギー性鼻炎」などがあります。
これらのアレルギー疾患はダニアレルゲンによるものだけでなく、ハウスダストやカビ、犬や猫といったアレルゲンが原因でも同様に起こることがあります。
ダニアレルギーは、通年性のアレルギー性鼻炎に深く関わっており、ハウスダストのアレルギー反応が陽性であると、ダニも陽性である場合がほとんど同じ※2という調査結果も出ています。
ダニアレルギーの原因となるダニ
ダニアレルギーの原因となるダニは、「ヤケヒョウヒダニ」や「コナヒョウヒダニ」という、ダニの中でもわずか0.2-0.4㎜ほどの大きさの非常に小さなダニです。一般的にチリダニとも呼ばれ、ヤケヒョウヒダニは一般家庭に生息するダニの約9割を占めています。
人を刺して痒くするツメダニや、人を吸血するマダニやイエダニと違い、これらのダニは直接的な害はありません。
また、ダニアレルゲンは、これらの生きているダニが原因ではなく、ダニの死骸や糞が原因となります。
ダニの死骸や糞は細かく砕けるとわずか0.01㎜程度の非常に小さな粉塵となり、ちょっとした風や衝撃で空中に浮遊(曝露)してしまいます。こうして浮遊したダニアレルゲンが呼吸によって体の中に入り込むとアレルギー症状を引き起こされます。
秋はダニによるアレルギー症状が発症しやすい時期
引用:danipedia
ダニは一年を通してどの家庭にも存在しますが、特にアレルギー症状が出やすいのは「秋」ごろです。
ダニは高温・多湿の環境を好み、『気温25~30℃、湿度60~80%』の環境下で爆発的に繁殖します。初夏~夏に向けて大量繁殖したヤケヒョウヒダニやコナヒョウヒダニは、秋ごろになると「乾燥」や「気温の低下」「寿命」などが原因で死滅し、アレルゲンが増えます。
そのため、ダニの死骸や糞が多くなる秋に被害が増えるというわけです。
また、ヤケヒョウヒダニやコナヒョウヒダニをエサとして、人を刺すツメダニというダニは、これらのダニが増えた7~9月ごろに後追いで繁殖するため、この時期はダニ刺されの被害が増えます。
ダニアレルギー対策
ダニの増える時期とアレルギー症状が出る時期は異なるため、症状がでてから対策したのでは手遅れです。ダニが増える5月上旬~8月にかけて早めに対策をし、できるだけダニが増えないようにおくことが大切です。
具体的には、日常的に換気や布団の天日干し、掃除機掛けを行うようにします。合わせて空間タイプのダニ駆除剤を使ったり、定期的にダニ駆除スプレーを使用する、またはダニ取りシートを設置するなどして、ダニ駆除グッズも使用すると、ダニを効率よく駆除することができます。
また、アレルギー症状を抑えるためには、ダニの死骸や糞などのダニアレルゲンの量を減らすことがこと大切です。ダニを駆除したあとは、丁寧に掃除機がけをして除去するようにし、布団のシーツやカバーはこまめに洗うようにします。ダニアレルゲンは、水に溶けるため、アレルゲンが最も多くたまる敷布団は布団丸洗いも有効です。できるかぎり、ダニアレルゲンを減らすように心がけましょう。
部屋の場所別のダニ駆除の仕方の詳細は、場所別のダニ退治・対策をご覧ください。
まとめ
- アレルギーは免疫の過剰反応によりマイナスの症状を引き起こすこと
- アレルゲンは、食物や花粉、ダニ、ハウスダストなど様々で人によって反応する物質が違う
- ダニアレルギーは生きてるダニではなく、ダニの死骸・糞が原因
- ダニ対策は5月初旬から9月にかけて早めに対策を行うことが後のアレルギー症状緩和に役立つ
- ダニアレルギーは秋ごろに症状がでることが多い
アレルギーは身近に起こる可能性が高い現代病です。小さい頃アレルギーは成長の過程で別のアレルギーとして次々と形を変えて発症する可能性がある(アレルギーマーチ)ため、早めに治療・対策をし、子供の一生の病気にしないようにしてあげたいですね。