お気に入りのぬいぐるみ、大切なぬいぐるみ、大人も子供も一体くらいそんなぬいぐるみがありますよね。でも、「ぬいぐるみに顔をすり寄せているとなんだかかゆい」「子供がぬいぐるみで遊んでいるとくしゃみや咳が止まらない」「しばらくしまってあったけど安全か心配」何てことありませんか?
布団やソファ、絨毯だけでなく、ぬいぐるみにもダニは潜んでいるのです。よく手にするぬいぐるみはもちろん、放置していたぬいぐるみにダニが繁殖していたなんてこともあります。
ダニ刺されやダニアレルギーに困らないためにも、ぬいぐるみのダニ対策をしっかりしておきたいですね。今回は、ぬいぐるみのダニ駆除と予防法についてお伝えします。
目次
ダニを死滅させるにはどうしたらいいの?
ぬいぐるみにもダニが付いているって本当?退治した方がいいの?
ぬいぐるみにダニが繁殖するとダニ刺されやアレルギーの原因になることがあるから、ダニ対策や手入れをすることは大切ダヨ!
ぬいぐるみのダニ対策をするなら、ダニを死滅させるのが一番効果的です。ダニよけスプレーなどの忌避(きひ)剤もありますが、ダニがぬいぐるみから別の場所に移動するだけで、結局別の場所でダニに刺されてしまう可能性があります。
ダニは「熱」と「乾燥」に弱いという特徴があるため、加熱してダニを死滅させるのが有効です。ダニは、50℃以上で20~30分加熱することでダニを死滅させることができます。
・チリダニ科コナヒョウヒダニ,ツメダニ科クワガタツメダニ,Cheaicarcipsis sp .,コナダニ科ケナガコナダニを温度50℃,湿度23〜25% R.H,下に置くと,10〜20分で死亡率 100%となった。
・コナヒョウヒダニをビニール袋に入れて50℃に加熱すると,10分間以内に死亡した。
引用:家屋内生息性ダニ類の生態および防除に関する研究(8)(吉川 翠)
ただし、ぬいぐるみのダニを駆除するとダニの死骸が残り、ダニの死骸やフンはダニアレルゲンとなってアレルギー疾患の原因となります。ダニを駆除した後は、掃除機などでそれらダニアレルゲンを除去することが大切です。
ダニアレルギーの人は、
- ダニを殺すこと
- 死んだダニとフン(アレルゲン)を除去すること
が大切になるので、ダニを死滅させるだけでなく、死滅させた後のダニの死骸も取り除くようにしましょう。
ぬいぐるみのダニ退治は洗濯が一番!でもその前に。
ぬいぐるみのダニ退治には洗濯が一番って聞いたわ!本当なのかな?
洗濯だけだとダニは完全には殺せないんダ!だから、洗濯の前に熱湯につけるといいヨ!
ぬいぐるみのダニ退治は「洗濯」が一番のワケ
・洗濯はダニアレルゲンのダニの死骸・フンも除去できる
ぬいぐるみについたダニを退治するには洗濯が一番です。お気に入りのぬいぐるみほど、いつも子供のそばにあるため、汚れがちです。子供がぬいぐるみに触れたり、舐めたり、しゃぶったりすることで、「皮脂」「汗」「髪の毛」「フケ」「食べかす」などが付着します。これらは「ダニのエサ」となりダニの増殖につながってしまうため、洗濯によって取り除くことが有効です。
また、ダニアレルゲンとなる「ダニの死骸」、「ダニのフン」も洗濯で一緒に取り除くことができます。どちらも「水溶性の汚れ」となるため、洗濯によってそのほとんどを取り除くことができます。
ぬいぐるみを洗濯する前にすること
ダニはかぎづめの様な脚をしており、取り除こうとすると繊維にしがみつき、洗濯の水流や掃除機では完全には取り除くことができません。生地の素材や生地の毛足の長さによっては、洗濯してもダニを完全に死滅させることができない可能性があるため、最初に「熱」を加えて、ダニを「死滅させる」ことが有効です。
60℃以上でダニは一瞬で死滅するともいわれていますが、ぬいぐるみの内部まで60℃以上にするために、70℃以上のお湯に10分ほどつければ内部まで熱が伝わることが想像できます。洗濯をしてから「熱」を加えてもダニは死滅できますが、死滅したダニがぬいぐるみに残ってしまうため、「加熱」→「洗濯」の順番がおすすめです。
乾燥機、コインランドリーで加熱するのはどうなの?洗濯の前にぬいぐるみを乾燥機に30分以上かけることもダニ駆除には有効です。しかし、ぬいぐるみは非常にデリケートなため、物によっては「縮み」や「型くずれ」の原因となり、変形してしまう恐れがあります。また、コインランドリーは非常に高温加熱されるので、生地やパーツが溶けてしまうこともあります。
ぬいぐるみの洗濯しよう!
ぬいぐるみを洗って大丈夫かな?形が崩れそうな気がするんだけど…
ぬいぐるみに書いてある洗濯タグやぬいぐるみの生地をみてね!
洗濯前の注意
ぬいぐるみを洗濯する前に、洗えるものかどうかを確認しておきましょう。毛足の長いものや生地によっては、傷んだり、形や肌触りが変わってしまうこともあります。また、中綿が片側によってしまい形が崩れてしまうこともあるので、以下の内容を確認を確認するのはもちろんですが、触って中綿のずれ具合を確認したり、ブラッシングをしたりして、毛が抜けやすくないかなどを確認してみましょう。少しでも心配があるようなら、洗濯機で洗わずに手洗いをしたり、部分洗いに留めたりしましょう。ただダニを退治したいということなら、下にご紹介する別のダニ退治法の方がぬいぐるみの変形の心配は少ないです。
ぬいぐるみの洗濯の仕方
ダニを退治するときの洗濯の以下の流れで行います。加熱のタイミングがポイントです。
- 装飾品や付属品(リボンやタグ)などを外す
- 熱湯・乾燥機によりぬいぐるみを加熱しダニを死滅させる
- 中性洗剤で押し洗いをして汚れを落とす
- 洗濯機の場合はぬいぐるみをネットに入れて洗濯する
- キレイな水(お湯がおすすめ)で十分すすぐ
- 洗濯機で脱水、またはタオルにくるんで水分を取り除く
- 乾燥機、または風通しの良いところで形を整えて干して乾燥させる
※十分に乾燥させないと、カビ、臭いの原因になります。
化繊のぬいぐるみにはダニが付かないって本当?
天然素材に比べ化繊素材はダニが付きにくいと言われています。しかし、全くダニが付着しないわけではありません。化繊素材のぬいぐるみと言えども、日ごろのメンテナンスは大切です。
洗ったあとは形を整えてしっかり乾燥させる
うちは晴れた日にぬいぐるみを洗濯するようにしてるわ!
ぬいぐるみによっては、形が崩れちゃうことがあるから注意しよう!
洗濯した後のぬいぐるみは水分をたくさん含んでいるので、しっかり乾燥させましょう。水分が残っていると、カビや悪臭の原因となってしまいます。
ぬいぐるみによっては、乾燥にも一工夫が必要です。
1. 形を整える
中綿がよってしまったり、形が崩れてしまうこともあるので、できるだけ形を整えます。ずれてしまっている場合は、針を刺して戻したり、指でもみながら元の位置に戻しましょう。
2. ブラッシングする
毛の絡みをほどいて、元のふわふわの手触りにするためにも、くしを使って丁寧にブラッシングしてあげましょう。目が細かすぎたり、毛が抜けてしまうものはNGです。毛並みが整う荒さのちょうどよいブラシを使いましょう。
3. 風通しの良いところで陰干しする
ぬいぐるみは乾くのに時間がかかるので、風通しの良い場所に干しましょう。洗濯ばさみだと、痕がついてしまうので、ネットの上に置いたり、平干ししたりして、形がくずれないように乾かしましょう。
4.乾燥機で乾かす
縮む恐れの少ない小さいぬいぐるみや、溶けてしまう付属品がないぬいぐるみで、一気に乾かしたいという人は乾燥機で乾かす方法もあります。基本的にはあまりお勧めしませんが、最短で確実に乾くので、物によってはありだと思います。
洗えないぬいぐるみのダニ対策法
洗濯機に入らない大きいぬいぐるみはどうしたらいいの?
ダニ取りシートだと安全にダニが捕れるし余計な心配がないネ!
洗えないぬいぐるみのダニ退治方法をご紹介します。ぬいぐるみを加熱してダニを駆除する場合は、ぬいぐるみの素材とパーツには十分注意してください。あくまでダニ退治に視点をおいているので、ぬいぐるみを傷めてしまったり、変形等の可能性もあります。
- 「布団乾燥機」で加熱し「掃除機」をかける
- 「ダニ駆除スプレー」をかけ「掃除機」をかける
- 「ダニ取りシート」を近くに置いて放置する
「布団乾燥機」で加熱して「掃除機」をかける
温風で加熱する布団乾燥機なら、乾燥機に比べ変形等のリスクが少なくなります。衣類乾燥用の袋などに、ぬいぐるみを入れ乾燥させます。その後、優しくぬいぐるみに掃除機をかけ、死滅したダニを取り除きます。
「ダニ駆除スプレー」をかけて「掃除機」をかける
市販のダニ駆除スプレーをかけてダニを駆除します。ただし、化学殺虫成分を使用しているため、安全とは言われていますが赤ちゃんや小さい子供には不安です。気になる人は別の方法を試してみるのもよいでしょう。ダニ駆除スプレーをかけた後は、完全に乾いてから、掃除機をかけて死滅したダニを取り除きます。
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「ダニ取りシート」を置いて放置する
最も手間のかからない方法です。ビニール袋にぬいぐるみをいれ、ダニ取りシートを入れておきます。複数のぬいぐるみをまとめて箱などに入れている人は、その中にダニ取りシートを置くだけでOKです。ダニを誘因して捕まえるため、効果がでるまで2,3日~2週間ほど時間がかかりますが、放置しておくだけでダニがどんどん集まってきます。使ったあとはぬいぐるみ使ったら同じ場所に戻しておくとよいです。
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ぬいぐるみを「クリーニング」にだす
ぬいぐるみのクリーニングも可能なクリーニング屋さんがあるので、そちらに依頼してみましょう。大事なぬいぐるみの場合、ぬいぐるみのクリーニングのノウハウが、しっかりある会社かどうかをよく見極めてから出すようにしましょう。
ぬいぐるみにダニがつかないように予防しよう
換気くらいなら私でもできるわ!やれるところから取り組もう!
定期的にダニ対策をすると効果的ダヨ!
ダニがぬいぐるみに繁殖してしまうと、駆除するのが大変になり、ぬいぐるみを傷めてしまうこともあります。ぬいぐるみにダニが付ないように予防することが一番の対策です。そのためには日々のメンテナンスや習慣が大切です。
ぬいぐるみを天日干しする
天日干し程度の熱ではダニは死なないですが、定期的に外に干し風通しすることでぬいぐるみに湿気がたまるのを防ぎ、ダニの繁殖を抑えることができます。
窓を開けて風通しをする
ぬいぐるみだけでなく、家の中全体の湿度を下げることで、ダニの繁殖を抑え、ぬいぐるみへのダニ移りを抑えます。
ぬいぐるみをブラッシングしてホコリを落とす
ホコリがたまるところにダニが棲みつきやすくなります。一緒に絡みついた髪の毛やごみもダニが棲みつく原因になるので、ブラッシングで定期的にホコリやごみを落とすようにしましょう。
中性洗剤を含ませた布で部分的に汚れを落とす
ぬいぐるみが軽く汚れた程度という場合、中性洗剤を含ませた布で拭くと、手垢や汚れなどが落ちて清潔に保てます。ダニは人間の皮脂もエサとするので小まめに行うとよいです。中性洗剤を手洗いほどの濃度に水で薄め、洗剤水を含ませた布を固く絞って、たたくようにぬいぐるみを拭きます。その後、水を絞った布で拭き上げ、乾かせばOKです。
ネットでつるして保管する
箱に入れたり、ソファに並べたりしていると湿気やホコリがたまりやすくダニが繁殖しがちです。ネットにつるして保管するなどして、通気をよくして保管する方法もおすすめです。
子供がぬいぐるみを手放せない!そんな時は、、、
うちの子はアンパンマンのぬいぐるみがないと夜寝れないから手放せないの。いつも洗うタイミングを見極めてるわ!
小さい子は、普段からお気に入りのぬいぐるみをいつくか持たせておくといいヨ!
同じぬいぐるみを2体持ちにする
小さい子供だと、「お気に入りのぬいぐるみがないと寝られない」、「お気に入りのぬいぐるみをかたときも手放せない」ということがありますよね。そんな時は、思い切って同じぬいぐるみの2体持ちも考えてみてはいかがでしょう。
毎日触っているお気に入りのぬいぐるみはかなり汚れもたまっているはず。交代で洗えば衛生的です。汚れたぬいぐるみを洗っている間は、きれいなぬいぐるみを持たせておきます。子供が寝ている間など、気が付かない時にそっと交換しておくとスムーズに交換ができますよ。
代打のぬいぐるみと一時交換する
代打のぬいぐるみを持たせ、その間にぬいぐるみを洗う方法もあります。代打のぬいぐるみもメインのお気に入りのぬいぐるみと同じくらい一緒に大切にしている必要がありますし、どうしてもメインのぬいぐるみじゃなきゃヤダということもあるかもしれません。しかし、いざという時のためにお気に入りのぬいぐるみと同じくらい好きなぬいぐるみを育てておくのも一つの方法です。メインのぬいぐるみが見当たらない時などにも役に立つのでおすすめです。
まとめ
- ぬいぐるみは洗う前に熱湯でダニを死滅させてから洗う
- 乾燥機・コインランドリーでダニ駆除するときは、破損・変形に気を付ける
- 洗濯できるぬいぐるみは丁寧に洗う
- 洗えないぬいぐるみは「掃除機」「ダニ駆除剤」「ダニシート」で対策する
- 定期的なメンテナンスでダニを予防することが大切
ぬいぐるみのダニ対策は以上のことを行うとよいでしょう。
ぬいぐるみは思いのほかデリケートです。小さいものやパーツのないものは洗い易いですが、大きいものやパーツがあるもの、加工してあるものなどは中々洗いにくいものです。
洗濯することによって、大切なぬいぐるみをダメにしてしまっては元も子もありません。無理をして洗濯をする必要はないので、素材や大きさなどと相談をしてダニ退治の方法を選びましょう。場合によってはぬいぐるみ専門のクリーニングやさんに一度相談してみるといいかもしれませんね。