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身体にできた発疹、急なかゆみで気が付いたけどいつの間に刺された?なんてことありませんか?

気が付かないうちにダニや虫に刺されていると、発疹を見ただけでは何に刺されたのか、それとも病気なのか判断が付きません
でも、考えられそうなダニ刺されや虫刺され、病気の症状や特徴が分かれば、かゆみの程度期間立ち入った場所を目安に、自分で判断が付いて対策ができるかもしれません。

今回は、虫刺されとして考えられるダニやその他の虫、病気などの症状や特徴について書いていきます。
それぞれの症状や特徴などの情報にしっかりと目を通して、今の発疹の原因がなにか目星をつけて対策をしていきましょう!

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家の中のダニ刺され|症状と特徴

ツメダニ

引用:東大阪市役所

屋内ダニの中で、人を刺すのはツメダニだけです。感染症などの恐れはほとんどありませんが、刺されると赤い発疹猛烈なかゆみに襲われます。症状は10日ほど続き、2カ所以上刺すことがあります。夜行性のため、朝起きて刺され痕があったらツメダニの仕業かもしれません。太もも二の腕お腹など肌の柔らかい所を好んで刺します。ツメダニによるダニ刺されはアレルギー症状の一種で遅延型反応のため、刺されてから1日ほどしてから赤い発疹とかゆみが出始めます。運動して汗をかいたり、血行が良くなるとかゆみを強く感じることがあります。ツメダニはチリダニ・コナダニなどをエサとして増殖するため、梅雨ごろから被害が出始め8~10月ごろのダニ刺されの被害が多くなります。

ツメダニの生態と特徴を徹底調査!効果的なツメダニ対策とは?

ツメダニに刺されたら

薬を塗る子供

繰り返すかゆみで患部をかき壊してしまうと、雑菌が入り込み化膿してしまったり、痕が残ってしまうことがあります。市販薬を使うのであれば、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬赤みや腫れなどの症状を軽くするステロイド薬化膿を抑え細菌の感染を防ぐ抗生物質の入っているものを選びます。

ステロイドは怖いものと思っている人もいるかもしれませんが、適切な使用で短期間であれば問題ありません。ステロイド成分が配合されている薬を使うと短期間できれいに治ります。

もし、「かゆみの症状が治まらなかった」「掻き壊して悪化した」「市販薬を塗ったら合わなかった」などの場合は病院を受診するようにしましょう。

詳しくは7日以上かゆみが続いたら…ダニ刺されかも?かゆみの特徴と対処法にも書いているのでご覧ください。

赤ちゃんのダニ刺され。見分け方とお家でできるセルフケア、病院受診の目安

ツメダニの対策

ダニ刺されの原因となるツメダニ、チリダニを退治する必要があります。ダニは高温多湿を好み、低温乾燥が苦手のため、換気冷房で湿度・気温を下げたり、掃除機をかけてダニのエサを減らすことで多少のダニを退治することができます。しかし、これらの一般的な方法は無料でできる反面、年間を通して継続的に行わなければ効果が薄く、速攻性はありません。短期間で対策をしたい人は、市販の駆除剤ダニ取りシートを使う必要があります。またはダニは50℃以上で10~20分加熱することで死滅させることができるので、物によっては布団乾燥機コインランドリーなどで高温加熱させてダニを死滅駆除させるのがおすすめです。

場所別のダニ退治法については場所別のダニ退治・対策をご覧ください。

家の外のダニ刺され|症状と特徴

屋外ダニはいくつか種類がいますが、家の中のダニに比べ感染症などの恐れがあるため刺されてしまった時には注意が必要です。

イエダニ

引用:東大阪市役所

主にネズミに寄生するダニで、宿主のネズミがいなくなってしまったり、ネズミの巣内でイエダニが大量発生してしまった際に、新たな寄生先を求めてヒトを刺咬し吸血することがあります。屋内ダニのツメダニと同じように、夜間に活動し、脇、お腹、太ももなど肌の柔らかい場所を刺します。刺されると赤い発疹強いかゆみの症状あらわれ、刺されたところはしこり水泡ができます。イエダニは吸血性のダニのため、病原菌やウイルスを媒介することがあり、重大な感染症にかかる恐れがあるので注意が必要です。6~9月に繁殖し被害も増えますが、冬に刺されることもあります。

屋根裏など、家の中にネズミが巣食っている可能性がある場合は、特に気をつけましょう。

イエダニに刺されたら

病院を受診

ツメダニと同様、患部をかき壊し化膿したり「とびひ」を防ぐためにも、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬赤みや腫れなどの症状を軽くするステロイド薬化膿を抑え細菌の感染を防ぐ抗生物質の入っている市販薬を塗ると良いでしょう。

ツメダニと異なり、重大な感染症に感染する可能性もあるので、家にネズミがいる場合や「体調が悪い」と感じたら、すぐに病院を受診するようにしましょう。

イエダニ対策

イエダニを駆除するためには、寄生主となるネズミを駆除するしか方法はありません。自分でネズミを駆除したいという人もいるかもしれませんが、ネズミを毒餌やトリモチなどで駆除すると、死んだネズミに寄生していたイエダニが新たな寄生先を求めて家に住んでいるヒトを刺されてしまう危険もあるためおすすめしません。

イエダニの被害にあっている人は、専門の業者に依頼するのが一番確実な方法です。

マダニ

引用:京都府

マダニは屋外に生息するダニで、かまれると顎部をヒトの皮膚に食い込ませて血液を吸います。主に森や林、草むらに見られますが、公園や庭、畑や河川時になど野生動物が生息する場所に広くみられます。

マダニに刺されると、皮膚が赤く腫れ10㎝以上に広く炎症を起こし、高熱がでることもあります。噛まれた時はかゆみがなく、マダニに噛まれたことに気が付かないことがあります。マダニは大型のダニで3㎜程の多きさで、肉眼でも確認ができますが、吸血すると数センチにまで膨れ上がります。吸血中にひっぱると顎部がちぎれて皮膚に残ってしまい化膿したり、体液が血液中に逆流してしまうこともあるので、無理にとらないようにします。

マダニは刺されると刺咬症状もさることながら、マダニが媒介する感染症に注意が必要です。マダニが媒介する日本紅斑熱Q熱ライム病ボレリア症重症熱性血小板減少症候群 SFTSダニ媒介性脳炎などの感染症は、重症化したり、後遺症が残ったり、最悪死に至るため、国や市でも注意を呼び掛けています。

マダニに刺されたら

熱で倒れる女性

マダニに食いつかれたらできるだけ早く除去することが大切です。そうすることで感染症のリスクを減らすことができます。自分で除去するときはピンセットなどで顎部がちぎれないように慎重に引き抜きます。また、マダニに食いつかれてから1~2日以内であればワセリン法という方法もあります。皮膚に食いついているマダニにワセリンなどを厚く塗って30分ほどまつとマダニが外れやすくなるという方法です。バターや軟膏など油脂性成分の物なら同様の効果が得られるようです。

どうしても外れない場合は、病院に行きましょう。医療機関を受診するとマダニごと周囲の皮膚を切除する外科治療となりますが、マダニによる感染症を防ぐ効果もあり確実で安心です。

マダニが皮膚から外れた後も、2週間以内に発熱・頭痛・発疹など、体調が悪化する可能性があります。容態が変化するようだったら、できるだけ早く病院を受診するようにしましょう。

マダニ刺症において,咬着したマダニ虫体を除去するには局所麻酔下で皮膚ごと切除するのが確実である.ワセリン法は咬着中のマダニ虫体を被うようにワセリンを載せて,約30分後に異物鑷子で除去する方法である.マダニ幼虫であれば比較的容易に,若虫や成虫では咬着後早期であれば除去できる可能性があるので,試す価値がある.マダニが媒介する感染症には注意が必要であるが,マダニ除去後,感染症予防のための抗菌薬は一律に投与するのではなく,必要に応じて判断するべきである

引用:夏秋 優 臨床皮膚科 68巻5号 (2014年4月)より

取れたマダニは2週間保存を!
取れたマダニは、症状が悪化した場合に備えて、2週間は除去したマダニを保存しておきましょう。病院を受診する際に、除去したマダニを持っていくことで、医師がマダニの種類から診断のヒントとなる情報を得ることができます。

マダニ対策

マダニの一番の対策は刺されないように予防をすることです。服装を工夫するだけで、直接肌に食いつかれる危険が減ります。

  • 長袖・長ズボンを着用し、首にはタオルを巻くかハイネックのシャツを着用する
  • ズボンのすそに靴下をかぶせる
  • 奴の袖口は軍手や手袋の中に入れる
  • シャツの裾はズボンの中に入れる
  • マダニよけの忌避剤(ディート、イカリジン配合の物)を服に散布する

マダニ対策、今できること(国立感染症研究所)
厚生労働省

その他の虫刺され|症状と特徴

蚊による虫刺され

蚊は5~9月の梅雨、秋雨時期に多く刺されます。淀んだ水がたまる場所草むらなど湿気のあるところでは、いたるところでみかけられます。刺されるとぷくっと赤い発疹かゆみがあります。肌の露出している場所ならどこでも刺し、顔・首・手足を刺されます。一匹いると複数いる場合が多く、一匹では数カ所程度ですが、数が多くなると何カ所も刺されることもあります。かゆみの程度は半日~2.3日程で、薬を塗れば早く治まります。

蚊に刺されたら

市販のムヒなどのかゆみどめで、炎症やかゆみを抑えることができます。小さい子はかき壊して、とびひになることが多いため、早めに薬を塗ってあげるか、貼るタイプの薬もで炎症を抑えつつ患部をかかないようにするのも有効です。(薬でカブレる可能性もあるので、定期的に変える必要あり)かゆみのひどい時には患部を冷やしてあげるようにしましょう。

蚊の対策

肌を露出するのを控え、長袖・長ズボンを着用します。夏に生息するので、暑い時には、虫よけリング虫よけスプレーなどをうまく使うと良いでしょう。蚊取り線香は昔から有名ですよね。

ノミ

ノミは飛び跳ねてヒトを刺し吸血します。刺された箇所は赤い発疹強いかゆみ水ぶくれの様な症状がでます。かゆみが続き1週間から1ヶ月ほどかゆみが残る場合があります。5~11月と温かい時期に刺され、光に集まる習性があるため、日中でも人を刺すことがあります。膝から下の足を中心に複数個所さすことが多く、飛び跳ねるため間隔があいて刺されていたらノミ刺されの可能性が高いです。

ツメダニは柔らかい所を刺し、近くに複数個所刺すこともありますが、ノミは足を中心に飛び跳ねまわって刺すことが多いため、刺され箇所の間隔があいていて、全く違う特徴があるので、見分けやすいです。

ノミ刺されの被害はほとんどがネコノミによるもののため、猫や犬などのペットを飼っている人はノミ対策をしておきましょう。ノミの種類によってはペストや発疹熱などの病原体を媒介することもあります。

ノミに刺されたら

ツメダニやイエダニと同様に、かゆみ・炎症を抑えるために市販薬で対処すれば大丈夫でしょう。かゆみが強い時には抗ヒスタミン成分の入っている薬を塗ると、かゆみが抑えられます。

ノミ対策

ノミ刺されの原因となるのは、ほとんどがネコノミです。ネコノミは猫や犬の他、イタチ、タヌキ、ネズミにも寄生するため、家でペットを飼っている人や屋根裏にネズミが巣食ってしまっているなんて時には注意が必要です。家でペットを飼っている人は、市販の駆虫薬でノミを駆除するのもよいですが、動物病院で対応してもらえばより確実です。

トコジラミ

引用:badbedbugs.com

トコジラミは別名で南京虫(なんきんむし)と呼ばれることもある吸血性の寄生昆虫です。英語でベッドバグとも呼ばれるように、ベッドカーペットの裏に生息し、刺されると赤い発疹水ぶくれの様なものができます。トコジラミに刺されると猛烈なかゆみが1~2週間ほど続き、場合によっては夜眠れないほどのこともあります。

初めてトコジラミに刺されたときはかゆみを生じない人も多く、2回目に刺された場合に強くかゆみを生じます。夜寝ている時に吸血されることが多く、吸血後はすばやく隠れるためトコジラミに気が付かないこともあります。

一匹いると数匹はおり、血糞と呼ばれる吸血したあとの黒い小さい糞を見つけたらトコジラミが生息している可能性があります。

トコジラミに刺されたら

かゆみが強いので、できる限りかかないようにし、早めに皮膚科を受診するようにしましょう。抗ヒスタミン成分配合の薬を使用すれば、病院を受診するまでのかゆみ対策になります。

トコジラミ対策

一度発生してしまうと、駆除は非常に困難です。成虫だけでなく、幼虫、卵まで除去しないと完全駆除できないので、繰り返し定期的に対策をする必要が出てきます。駆除方法は殺虫剤駆除加熱駆除が一般的ですが、シロアリ駆除のように、自力で行っても駆除しきれないので、専門の業者に依頼して駆除してもらう方が良いでしょう。

ツツガムシ

引用:美の国あきたネット

ツツガムシは日本全国に広く生息するダニの一種で、夏や秋に発生します。ツツガムシは皮膚にくちばしを突き立てて管を作り、何時間もかけてヒトの体液を吸うため、刺し口が必ずあるのが特徴です。ヒトの柔らかい二の腕やわきの下、太もも、下腹部などを刺します。無害のツツガムシの場合、刺されても気が付かないことが多く、少し赤くなる程度で数日で後も消えてしまいますが、ツガムシ病の病原体を持つ有害なツツガムシに刺されると、ツツガムシ病という命に関わる重大な感染症を引き起こす可能性があります。有害なツツガムシに刺されると2,3日後から赤い発疹と水泡ができ、14日間の潜伏期間後に38℃以上の高熱、頭痛、全身倦怠感などを生じることがあります。

ツツガムシに刺されたら

ツツガムシに刺されても刺された自覚がないため気が付かないことが多いです。そのため、症状が悪化し病院を受診する際には、山や森に出かけたかどうかを伝えることが重要です。

ツツガムシ対策

ツツガムシはマダニのように野山でくっついてしまうことがあり、身体についても、すぐに吸着するのではなく、適切な場所を探して刺します。そのため、マダニと同様、刺されないための予防が対策となります。

  • 長袖・長ズボンを着用し、出来るだけ素肌を出さない
  • 山や林から帰ったら、速やかに入浴し、念入りに身体を洗い流す(吸着されるまえに洗い流してしまうのが一番の予防です)
  • 脱衣後は、衣類を室内に持ち込まない、またはすぐに洗濯する

参考:美の国あきたネット

ダニ・虫刺されでもないなら病気を疑う

ダニ刺されと虫刺されを伴って蕁麻疹を引き起こしたり、逆に蕁麻疹をダニ刺されと勘違いしてしまうほどで、発疹を見ただけでは医師でも原因を特定するのが難しいと言われています。ダニ刺されや虫刺され対策をしても症状が変わらないという場合、病気などの可能性もあります。詳しい症状については以下の記事をご覧ください。

その子供のダニ刺され!実は勘違いかも?ダニ刺されと間違いやすい子供の病気

あせも(汗疹)

汗のかきやすい夏時期に多くみられ、体温調整機能が発達していない乳幼児に見られることが多いです。ぽつぽつとした赤み発疹が現れ、かゆみがでることもあります。

蕁麻疹

蕁麻疹

蕁麻疹(じんましん)は、虫刺されの様な発疹から、次第に皮膚の一部が突然赤くもりあがる特徴があります。広く地図状に広がることもあり、強いかゆみを伴うこともありますが、あっという間に消えてしまうのも特徴です。寒さや暑さ、ストレスや光など様々なことが原因で引き起こされることがあります。

まとめ

ダニ刺されを判断するのに、似たような症状の虫刺されや病気をご紹介しました。虫刺されの中には、命に関わるような重篤な病気につながる危険性もあります。なので、自己判断するだけでなく、体調の変化にも十分気を付け、症状が悪化するようなら速やかに病院を受診するようにしましょう。