ダニが繁殖してしまうと、ダニ刺されの原因となるだけでなく、人によってはダニダストによるアレルギー症状の原因にもなってしまいます。アレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎などのアレルギーを持っている人にとっては、特にダニの繁殖はできるだけ抑えておきたいですよね。
ダニの繁殖する条件を知り、対策をすることで、ダニの繁殖しにくい環境を作っていくことが大切です。
目次
1.ダニの繁殖する条件は?
ダニはどんな時に繁殖するの?
ジメジメしてて、あったかいところで増えるよ!繁殖の条件を見てみよう!
高温多湿で適度なエサと住処があれば、ダニはものすごい勢いで増えていきます。ダニの繁殖する条件は、以下の4つです。
1.温度 20℃~30℃
ダニが好む温度は25℃前後と言われています。これは人間が心地よいと感じる気温でもあり、冷房や暖房によって室内はほぼ25℃前後に保たれることが多いです。このため、夏だけでなく、冬にもダニが繁殖する可能性は十分にあります。
2.湿度 60~80%
ダニが好む湿度は60~80%の湿度です。梅雨時期・秋口に繁殖しやすいと言われるのは、初夏・晩夏に雨が降ることが多く、雨によって湿度が高くなるためです。冬の屋内でも結露した窓付近、布団の中は湿度が高いため、ダニが繁殖しダニに刺されることがあります。
3.エサ
ダニのエサは主に人の「髪の毛」、「フケ」、「アカ」です。「食べかす」や、「ホコリ・カビを好む虫類」をエサとするダニもいるため、人が生活しているだけでダニは生きていくことができます。そのため、掃除はダニの繁殖抑制には効果があります。
4.住む場所
ダニは家中至るところに生息していますが、特に住処として好むのはカーペットや絨毯、マット、ベッド、枕、布団、ソファーなどの布素材の物。子供のオモチャやぬいぐるみも住処とします。特に高温多湿で、エサの多い布団は格好の住処となるので注意が必要です。
また、畳は吸湿作用があるためダニも住みつき易い場所のひとつです。
特にアレルギーの人が注意したいのは食品関係です。特に小麦粉、ホットケーキミックス、お好み焼き粉などの粉類にダニが入り込むと急激に増え、誤って食べてしまったことによるアナフェラキシーショックの危険もあります。
2.ダニの繁殖期とダニ刺されは時期が違うって本当?
ダニが増える時期とダニに刺される時期は違うの?
アレルゲンになるチリダニと、人を刺すツメダニは繁殖時期がずれるのです!
「ダニが増えればすぐにダニに刺されてしまう!」と思いがちですが、実はダニの繁殖する時期と、ダニ刺されが増える時期は違います。これは鼻炎や喘息などのアレルギー症状の原因となるチリダニが増えた後に、チリダニを餌として人を刺すツメダニが増えるためです。
チリダニは5~7月ごろにかけ増えた後、ツメダニが後を追う様にして8~10月頃にダニ刺されの被害が増え始めます。
梅雨時期6~8月頃はダニが繁殖する時期
6~8月ごろの梅雨時期は雨でジメジメとし、気温も高いため、気温・室温ともにダニが最も繁殖しやすい時期です。この時期にチリダニは大量に繁殖しやすく、チリダニが増えると、チリダニを捕食するためにツメダニも増えるため、チリダニを増やさないようにすることが大切です。
真夏8~10月頃はツメダニによる刺咬被害が増える時期
梅雨時期に増えたチリダニを餌とし、ツメダニが繁殖するため、9~10月ごろにダニ刺されは増える傾向にあります。この時期は秋雨時期でもあり、梅雨と同様に湿度・温度など繁殖に適した条件が整いやすい時期でもあります。
3.ダニは繁殖力が強いって本当?スピードは?どのくらい増える?
どのくらいのスピードでダニが増えるの?
10匹のダニがいたとすると、理論上は約3ヶ月で1万匹に増えるよ!
ダニは条件が整えば、ネズミ算的にものすごいスピードで繁殖をしていきます。ダニは卵からかえると約3週間ほどで成虫になります。ダニの寿命は2~4ヶ月ほどですが、成虫となったメスのダニは一日2~4個ほどの卵を産み、一生で70~100個の卵をうむと言われています。10匹のダニが生息していたとすると、約3ヶ月で、1万匹にも増えてしまう計算になります。
環境によっては死滅したり、卵をうまないことにもあるので、実際とは異なりますが、全く対策をしないと爆発的に増えていくことが簡単に想像できます。
4.アレルギーが出やすい秋は要注意!
秋は子どものアレルギーがひどくて困っちゃう!
アレルゲンのダニの死骸やフンは秋に増えるから気をつけよう!
ダニがを原因とするアレルギー症状には、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などがあります。ダニの中でも、これらのアレルギー症状にはチリダニが原因となっており、このアレルギー症状は秋に多くでると言われています。
アレルギー症状の出やすい時期:【秋】9~11月頃
梅雨時期に増えたチリダニが寿命や気温の低下により死ぬことで、アレルゲンとなるダニの死骸が増えアレルギーが多くなると言われています。また、チリダニ、ツメダニが大量繁殖することで、アレルゲンとなるダニのフンも増えてしまうことが原因として考えられます。
5.ダニの繁殖しやすい場所ランキング
ダニが繁殖しやすい場所がわかってると、事前に対策できるね!
ダニが繁殖しやすい場所をランキングにしたから、対策の参考にしてね!
ダニの繁殖しやすい場所をランキング形式でお伝えしていきます。ダニは通年を通してどこにでも繁殖し、家庭の環境によっても生息・繁殖のしやすさは変わってきます。目安としてダニの繁殖しやすい場所を知ることで、意識してダニ対策をすれば、より効果的にダニ退治をすることができるかもしれません。
1位.敷き布団(綿)・内部
寝ている間の水分をためやすく、温かい敷布団はダニが最も多く生息する場所です。ダニ刺されが多いのも布団なので、布団を毎日上げたり、シーツの洗濯、定期的に布団を干すのが有効です。特に梅雨や残暑の時期にはダニの好む温度・湿度になりがちなので注意が必要です。徹底的にやりたい人は布団の丸洗いなどのサービスもあります。
2位.絨毯(じゅうたん)
エサとなる人間のフケ・アカ・髪の毛などが掃除機でも取り除きにくく、絨毯の奥までダニが入り込むため、ダニの格好の住処になります。大きいじゅうたんは干すのも難しいため、ダニ駆除剤が有効ですが、奥に入り込んだダニを駆除するのは難しいため、ダニ捕りシートがおすすめです。
3位.畳
畳表面に出ているダニは少ないですが、内部で繁殖している場合は注意が必要です。新しい畳は問題ないですが、古い家や畳だと内部に大量発生している場合があるので、その時は畳を丸ごと熱風乾燥させる必要があるかもしれません。
4位.ぬいぐるみ
子供に近いぬいぐるみも、意外とダニが多いものです。熱湯につけてから洗濯して洗うのが一番確実で安全・安心です。ダニ駆除剤で退治ができますが、ダニ駆除剤だと子供がぬいぐるみを口に入れて気になるという人もいるかもしれません。どちらも難しい場合は、ダニ捕りシートがおすすめです。
5位.ソファ
ダニのエサとなる食べかす、フケ・アカ、髪の毛などはソファのすみっこにたまりがちです。意識して掃除をしましょう。布団と一緒でシーツをかけて、定期的に洗濯をすれば、ダニ刺されも安心です。
6位.マットレス
マットレスは動かすのが難しく、日本の気候では湿気がたまりやすいため、意外とダニが多いところです。布団を上げたときに、部屋の窓を開け風通しをしましょう。ダニの住みにくい素材のマットレスもあるので、寝心地が気に入れば良いかもしれません。
7位.毛布
寝具類はダニが多い所で、布団の他、毛布や枕なども定期的にメンテナンスが必要です。洗濯をしたり、定期的に干したりしてダニを増やさないようにしましょう。
※参考 神奈川県衛生研究所提供データより転載
( 匹/1m2あたり)
寝具 | 平均 | 範囲 |
マットレス | 69 | 25~4,263 |
枕 | 30 | |
毛布 | 58 | 23~1,658 |
敷き布団(綿)・表面 | 100 | 45~2,574 |
敷き布団(綿)・内部 | 約100,000(死骸が多い) | |
床 材 | 平 均 | 範 囲 |
タタミ(表面) | 700 | |
タタミ(内部) | 約50,000 | |
床 | 35 | 14~57 |
じゅうたん(表面) | 500 | |
じゅうたん(内部) | 110,000 | |
その他 | 平 均 | 範 囲 |
セーター | 29 | |
ソファ | 162 | 8~2481 |
ぬいぐるみ | 400 |
6.ダニが繁殖しやすい、押し入れの中も要注意!
押し入れにしまってた布団をそのまま使っちゃダメなの?
ダニが繁殖してるかもしれないから、布団は使う前に一度外に干して、掃除機をかけてから使おうね!
冬用の布団をしまう【夏】はもちろん、使用した布団をすぐに押し入れにしまってしまうと冬でもダニが繁殖しやすくなります。押し入れにしまっている間にダニが繁殖している可能性があるので、しまっておいた布団を使う際には、必ず天日干しをしてから使うようにすることをお勧めします。
7.ダニ退治よりもダニを増やさないことが大切
子どものためにも、家中のダニをやっつけたいね!
ダニは増える前に対策をしておくと、対策がスムーズだよ!
ダニは家中いたるところに存在しているので、家中のダニを完全に駆除することは不可能です。しかも、ダニは非常に小さいので直接目でみて確かめることができません。
なので、日常的なダニ対策はもちろんですが、ダニを退治することよりも、増やさないことに力を入れていくことが大切です。
ダニを退治し死滅させたとしても、ダニの死骸やフンがアレルゲンとして残ってしまうため掃除機がけをしアレルゲンを除去する必要がでてきます。日ごろ忙しいにも関わらず、2度手間になって時間がかかるだけでなく、ダニが増えてから対策をしたのでは、ダニを駆除するのが非常に大変です。
ダニの繁殖する時期のちょっと前に対策をしておけば、ダニを増やさずに増殖を抑えることができ効率的です。生きているダニを捕獲し、死滅させることがダニを増やさない・ダニアレルゲンを増やさない一番の近道です。
「ダニ捕りロボ」というダニ捕りシートなら、置いておくだけで、生きているダニを捕獲し、繁殖時期に前もって対策ができます。
8.ダニの繁殖まとめ
ダニは条件がそろえば爆発的に増えてしまいます。ダニが増える条件をできるだけ揃えないようにし、ダニが繁殖する時期には前もって対策をしておくことで、繁殖を抑制することができます。
ダニが増えたときの対策も大切ですが、ダニが増える前に対策をし、ダニを増やさないことが大切です。
参考:
Babysmaile:http://www.babysmile-info.jp/community/tick/
日革研究所:http://tcb-j.com/mat9.html
ダニサル:https://danisaru.co.jp/receive/type/
はかたみち耳鼻咽喉科:http://www.hakatamichi.com/disease/detail/masterid/13/