枕にたまった「汚れ」、ダニの死骸やフンなどの「アレルゲン」は、洗濯で洗い流せることを知っていましたか?
枕は頭や顔と直接接する場所なので、汚れやすく、ダニやアレルゲンもたまりやすい場所のひとつです。「最近鼻水が止まらない」「寝起きに顔が赤らむ」などの症状が出ていたら、もしかして枕が原因かもしれません。
アレルギーの人はもちろん、肌が敏感な人や衛生面が気になる人もしっかりと対策しておきたいですね。
枕は洗えないものと思っている人も多いですが、実は枕の素材によっては洗うことができます。しかもそれほど手間もなく、簡単に。
今回は、アレルギーの原因は枕では?と思っている人やダニが気になる人向けに、枕のダニ対策について書いていきます。
ドラム式洗濯機で洗ってみた結果を記事にしていますので、よかったらこちらもご覧ください。
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目次
枕のダニ対策をするなら熱・乾燥・洗濯を
生きているダニは熱と乾燥で駆除する
ダニは熱と乾燥に弱いことはが知られており、50℃以上20分の加熱・乾燥で死ぬことが分かっています。生きているダニを死滅させるのであれば、枕の中まで以下の条件を与えてあげれば死滅させることができます。
・チリダニ科コナヒョウヒダニ,ツメダニ科クワガタツメダニ,Cheaicarcipsis sp .,コナダニ科ケナガコナダニを温度50℃,湿度23〜25% R.H,下に置くと,10〜20分で死亡率 100%となった。
・コナヒョウヒダニをビニール袋に入れて50℃に加熱すると,10分間以内に死亡した。
引用:家屋内生息性ダニ類の生態および防除に関する研究(8)(吉川 翠)
ダニを加熱して駆除方法としては、
- コインランドリーで70~80℃の温度で40~50分ほど加熱
- 家庭用乾燥機(洗濯乾燥機)であれば、60~70分ほど加熱
- 布団乾燥機で60~70分ほど加熱
がおすすめです。枕の表面だけでなく、中までしっかり50℃以上になるように注意しましょう。
コインランドリーは温度設定ができるところであれば、ダニの死滅温度よりも少し高い70~80℃に設定しましょう。
家庭用乾燥機(洗濯乾燥機)は、機種や種類によって、乾かし方や乾燥温度が違います。お持ちの洗濯機の種類を確認しから乾燥をするようにしましょう。槽内の温度については、Panasonicの【洗濯機の賢い選び方】ドラム式とタテ型の違いって?に書いてあるので、参考にしてみてください。
枕の種類によっては熱に弱い素材もあり、すべての枕が加熱・乾燥できるわけではありません。事前に、枕についている洗濯表示で加熱可能か確認してから行うようにしましょう。タグは「タンブル乾燥」ができるものにしましょう。
ドライヤーやスチームアイロンでダニを駆除をしようと試みる人もいますが、あまりおすすめできません。
理由は、ドライヤーの場合、表面温度は上がるものの、内部まで熱することができないため枕の奥に逃げ込んだダニは駆除できないからです。熱を一カ所に加えすぎて焦げる恐れもあります。またスチームアイロンの場合も同様で、内部まで熱せない上、水分がNGな素材の場合、変形の恐れもあります。
洗濯でダニアレルゲンの除去・ダニの繁殖予防をする
鼻炎やアレルギーを持っている方は、ダニを殺すだけでは不十分です。枕の中に残ったダニの死骸や・フンといったアレルギゲンを取り除く必要があります。
これら細かく砕けたダニのアレルゲンは水溶性で水に溶けて除去することができるので、枕を洗うことが一番効果的です。
枕は頭皮から出た髪の毛やフケ、アカ、汗などによってとても汚れがたまりやすく、これらはダニのエサにもなります。定期的に枕を洗濯して、汚れを洗い流すことが大切です。
枕を洗うことで、以下の様なメリットもあります。
- ダニの死骸・フンなどのアレルゲンを洗い流せる
- ダニのエサも無くなり、ダニが繁殖しにくくなる
枕を衛生的に使うことができ一石二鳥です。可能であれば1ヶ月に1回は洗いたいところです。
洗える枕、洗えない枕を確認しよう!
枕は中に入っている詰め物の素材によって大まかに「洗える枕」「洗えない枕」を分けることができます。以下に表を作ったのでご確認ください。
【早見表】
洗える枕 | 洗えない枕 |
・ポリエステル綿 ・大きいビーズ ・パイプ ・コルマ・ミニボール ・高反発ウレタン ・高反発ファイバー | ・ウレタン素材 ・スノー低反発 ・そばがら ・羽毛 ・低反発ウレタン ・クラッシュラテックス ・極小ビーズ |
※一般的な分類であり、洗えるか洗えないかは、枕によって違います
大きく素材ごとに分けると以上のようになりますが、必ずしも分類通りではなく、洗濯機で洗える枕かどうか、手洗いで洗える枕かどうか等は、商品によって違います。実際に洗濯する時には、洗濯表示タグや取扱説明書を確認して、その指示に従うようにしましょう。
洗濯表示の見方
2016年12月より、衣類の海外取引の増加にあたり消費者の利便性を高めるために新しい洗濯表示へと変わりました。以下に消費者庁に掲載の情報を一部抜粋して掲載いたしましたので、洗濯する際は、以下の表示を参考に洗濯できるか、できないか、どのような条件で洗濯・乾燥をすればいいかを確認してみてください。
・新しい洗濯表示【早見表】 経済産業省公表資料
旧表示の枕をお持ちの方はこちらをご参考ください。
消費者庁:
・平成28年11月までの記号一覧表
・リーフレット 新しい洗濯表示
洗濯機で枕を洗ってみよう!
汗や皮脂、よだれやアレルゲンで汚れた枕の洗い方についてご紹介します。事前に枕についている洗濯表示タグを確認して、洗っても大丈夫な枕であることを確認してくださいね。
- 枕カバーを、本体から取り外す
- 枕本体に表示された洗濯表示タグを確認する
- 中の素材が出ないよう洗濯ネットに入れる
※浮いてしまう場合は、バスタオルでくるんでゆっくり沈める - 洗濯機の中に入れる(手で優しくあらう)
- 中性洗剤を入れる
- 洗濯スタート
- 脱水が終わったら、形を整える
- 専用のハンガーなどで干す
洗えない枕のダニ対策
天日干しor陰干しをする
ダニを駆除する効果はあまり期待できませんが、通気・乾燥によってダニの繁殖を抑えることができます。ダニは通気による乾燥・除湿によって活動が鈍くなります。
・天日干しが可能な「ポリエステル綿」「パイプ」「コルマ・ミニボール」「そばがら」は定期的に外に干して通気する
・天日干しのできない「ウレタン素材」「スノー低反発」「低反発ウレタン」「クラッシュラテックス」などの素材は陰干しをする
干したあとは、優しく枕の表面をなでるようにしてホコリを取り除きます。
掃除機がけで表面のダニ・アレルゲンを除去する
枕を干した後は、枕にも掃除機掛けをするようにしましょう。枕の表面で死滅したダニを除去できます。
枕の中のダニやアレルゲンを除去する効果はないので、あくまで表面で死滅したダニのみの効果となります。
自分で洗うのが心配な人はクリーニングを
自分で枕を洗濯するのが心配な人や手間だという人は、近所のクリーニングに出してみましょう。場所によっては取り扱っていないところもあるので、うまくあれば試してみるのも手です。
クリーニングを行う際には、以下のことに注意します。
・洗える素材の枕であるか:羽毛、ポリエステル、ビーズ、その他枕による
・ドライではなく水洗いにする
ドライクリーニングは溶剤を使って汚れを落としますが、水溶性の汚れは落ちません。枕についた皮脂やフケ、汗、アレルゲンなどは水溶性のため、水洗いでないと落とせません。
近所に取扱いがない!クリーニングに行ってる暇なんてない!という人は宅配クリーニングというサービスがあります。ふとんのリネットでは、枕やクッションのクリーニングを単品からでもクリーニングしてくれます。費用はサイズによって価格が変わります。
サイズ | 価格 |
縦横高さの合計100cm未満 | 2,000円 |
縦横高さの合計100cm以上 | 4,000円 |
こちらで料金シミュレーションができます。
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ダニの繁殖を抑える枕を汚さない使い方
洗えない素材の枕は事前に枕を汚さない使い方をすれば、長持ちさせることができます。以下の2つの方法は簡単に誰にでもできる方法です。
カバーをかける
当たり前のことですが、枕にカバーをつけて使用しましょう。洗えるなら毎日洗った方が良いですが、難しい人でも1週間に1回は変えたいところです。
タオルをかける
汗やよだれなどの汚れをカバーよりもより吸収してくれるので、枕への汚れを少なくすることができます。こちらも枕カバーと同じようにできるだけこまめに洗濯します。
アレルギーの人は洗える枕を選ぼう!
鼻炎や喘息などのアレルギーの人は洗える枕を選ぶのがおすすめです。洗濯で枕のアレルゲンを減らすことが症状の緩和に大いに役立つからです。枕の中にダニアレルゲンをためないためにも、
- アレルゲンを除去するために枕は洗うもの
- 枕は繰り返し洗う消耗品と思う
と認識するようにしましょう。寝心地のいい枕も魅力的ではあるので、最終的にはアレルギー症状の重さや優先度によって個人の判断で選んでくださいね。
まとめ
今回は枕のダニ退治と洗い方についてお伝えしました。もう一度内容をおさらいしておきます。
- 加熱しても大丈夫な枕は、加熱・乾燥でダニを退治できる
- 洗える枕は、洗って汚れやアレルゲンを除去する
- 洗えない枕は、干して、ダニを退治・繁殖予防する
- 枕を汚さないように、カバーやタオルを使う
- アレルギーの人は、「枕は消耗品」と捉え繰り返し洗える枕を選ぶ
意外と枕には汚れがたまり、匂いが付いていることも多いので、ダニ対策として洗濯することはもちろんですが、衛生のためにも定期的に洗うとよいです。
実際に枕を洗ってみると、思いの他簡単に洗えることに気が付くはずです。どうしても難しいという人はクリーニングを使ってみましょう。
気持ちよく枕を使いたいものですね!