「マットレスを天日干しすれば、ダニを退治できるのでは?」「でもマットレスは重いし動かせないから、簡単にできるダニ退治法はないか?」と考えたことはありませんか?
掛け布団も敷布団もダニ対策したけど、それでも刺されるとなると、どうしてもマットレスのダニを疑いたくなりますよね。ダニは目に見えないので尚更です。
さて、今回はそんなダニ退治で戸惑いがちな、ベッドのマットレスのダニ対策について書いていきます。
目次
そもそもマットレスにダニはいるの?
マットレスは中が空洞だから、ダニはいないんじゃないの??
マットレスにも色々なタイプがるけど、中が空洞のスプリングタイプでも側地と呼ばれるクッション部分があるから、そこにダニが隠れてしまうんダ!
ダニはどこにでも生息しているため、マットレスにもダニが発生することがあります。ポケットコイルタイプのマットレスは、中は空洞になっていて通気性がいい構造になっているため、ダニがいないイメージがあります。しかし、日本では海外とは違い湿気の多い国なので、マットレスと言えども、ダニが発生することもあるため、ダニ刺されやダニアレルギーなどがあれば対策が必要です。
ダニを駆除するのポイントは「熱」と「乾燥」
ダニは50℃以上の高温で駆除できるのね!
素材によっては熱に弱いものがあるから注意が必要ダヨ!
ダニは50℃以上を20分で死滅させることができます。ダニは熱と乾燥に弱いため、加熱や除湿で活動が鈍くなり、繁殖力の低下、最後は死滅します。
温度を上げれば上げるほど、瞬間的にダニを死滅させることができますが、マットレスの場合、高反発ウレタンや低反発ウレタンなどの素材は熱によって変形したり、寝心地が大きく変わる可能性があるので、注意が必要です。
家庭で行うマットレスのダニ退治4ステップ
家で簡単にダニ退治できないかしら?
完ぺきではないけど、いくつか方法を紹介するヨ!ダニ取りシートが家庭では簡単ダヨ!
STEP1:アイロン・ダニ駆除スプレーで表面のダニを駆除する
アイロンがけ・ダニ駆除スプレーで、マットレス表面のダニを退治します。ダニは暗闇を好む性質があるので、部屋を暗くして1時間ほどたって、ダニが表面に出てきてから行うとより効果的です。
ダニは熱に弱いため、アイロンをかけることでマットレス表面にいるダニを駆除することができます。
ただし、アイロンの熱で側生地の素材が傷んでしまうこともあるので、様子を見ながら行うようにしてください。大事なマットレスを熱で傷めてしまうのでは?という不安や心配がある人は、迷わずダニ駆除スプレーを使いましょう。
また、ダニ駆除スプレーは化学薬品を使って薬剤の力でダニを簡単に死滅させます。手軽な一方で、赤ちゃんや小さな子供がいる家庭では、誤って口にしてしまった時の体への影響が心配があり、ダニ駆除スプレーを使うことへの抵抗がある人もいるのではないでしょうか?
ダニがいなくなるスプレーでは、以下の様な使用上の注意があげられています。
注意点
◆アレルギー症状やカブレなどを起こしやすい体質の人は、直接薬剤に触れないこと。
◆アレルギー処理後は乳幼児が薬液をなめないように注意し、薬液が乾くまでは這わないように注意すること。また、ふとん、まくら、マットレス、ソファー、クッション、ぬいぐるみについても、処理面が充分乾いてから使用すること。
◆素材により変色やシミの恐れがあるので、目立たないところで試してから使用すること。
(ダニがいなくなるスプレー使用上の注意より一部抜粋)
アイロンがけ、ダニ駆除スプレーいずれも一長一短ありますが、どちらか自分に合う方で行うとよいです。
側地の上部を取り外し、直接洗濯できるタイプの物の場合、取り外して洗濯するようにしましょう。高温に対応しているものなら、洗濯前に60℃以上のお湯につけてダニを死滅させてから洗うのが一番です。
STEP2:布団乾燥機でマットレスの奥に隠れたダニを駆除する
ダニは夜行性で光の届かないマットレスの奥に逃げていってしまうため、表面のダニを退治するだけでは、再びダニの被害にあう可能性があります。完全に駆除できるわけではありませんが、布団乾燥機をお持ちの人は、空間加熱によるダニ駆除も効果的です。お持ちの方は、以下の手順で行います。
用意するもの:布団乾燥機、半透明のポリ袋、ビニールテープ
※又はベッドマットとマットレスの間に布団乾燥機のノズルを差込む
②ビニールテープで止める(熱風を保持するため)
※必要に応じてポリ袋の隅をカットし、爆発しないよう空気の逃げ道をつくる
③加熱を開始し50~70分ほど待つ(深部温度50℃となるように)
布団乾燥機も熱が加わるため、ウレタンマットなどは変形などに注意しましょう。
ダニで困っている人必見!おすすめ布団乾燥機12選と正しい選び方
STEP3: ダニアレルゲンを除去するために掃除機をかける
ダニを駆除した後は、ダニアレルゲン(ダニの死骸・フン)を取り除きます。アレルギーでないという人も、ハウスダストや咳などの原因にもなるので、掃除機をかけてしっかりとダニアレルゲンを除去することをおすすめします。掃除機をかけるときは行き10秒、帰り10秒を目安にゆっくりと行います。
STEP4: ダニ取りシートで生き残ったダニを駆除する
それでも生き残るダニは、ダニ取りシートで捕獲し、駆除します。ダニの繁殖を予防する意味でもダニ取りシートを置いておくと、ダニに悩まされることなく安心して眠ることができます。
ダニ取りシートは、家でできるマットレスのダニ駆除法の中で、唯一健康の害やマットレス損傷のリスクがなく、手間もかからない方法です。
ダニ取りシートを置けば、他のダニ対策をしなくてもいいかもしれませんね。
参考:失敗しないダニ取りシート!おすすめランキングBEST5【エビデンスあり】
マットレスへのスチームアイロン・天日干し・熱湯は間違ったダニ退治法
え?スチームアイロンならダニを退治できると思ってたのにっ!
スチームアイロンは中の金属がサビるし、熱湯はもってのほか、天日干しも大変な割に効果が薄いのでやめておこう!
マットレスのダニ退治法として、スチームアイロンをかけたり、天日干しをする、熱湯をかけるという方法があります。結論から言えば、どれもおすすめしません。その理由を解説していきます。
スチームアイロン
スチームアイロンは高温の蒸気(水分)を内部まで浸透させてしまい乾燥が難しいため、以下の様な恐れがあります。
- 内部の金属を傷める
- 側地を傷める
金属部分の劣化、サビ、側地の変形、寝心地の変化などのリスクもあるので、長く大切に使っていくなら、スチームアイロンは使わない方がよいでしょう。※業者は中の金属がサビないような専用の薬剤などを使用しています。
また、マットレスの側地として、高圧ウレタン、低反発ウレタンなどの素材は水に弱く加水分解してしまうため、スチームアイロンはNGです。
天日干し
天日干しを一度した程度では、ダニが死滅することはありません。なぜなら、表面温度がそれほど高くならないためです。ダニは暗いところに潜む習性があるため、光が当たるとマットレスの奥に逃げ込んでしまいます。
熱湯
確かに熱湯でダニを死滅させることはできますが、マットレスの側地を傷める恐れがあります。また、乾燥させるのが困難でカビの原因にもなるので、絶対にやめましょう。
高額だけど確実にダニ退治できるマットレスクリーニング
高いからそんなに頻繁には行えないわ!
嘔吐や尿の汚れや匂いは家で取り除くのが難しいから、そんなときは業者にお願いしよう!
一番ダニを退治する方法として確実なのが、マットレスクリーニングです。高額ではありますが、ベッドクリーニングの専門スタッフが、ダニだけでなく、汗シミ、血液の他、子供やペットのおしっこ・嘔吐の汚れや匂いも取り除いてくれます。
バキューム、スチーム殺菌、酵素による汚れ分解、除菌抗菌、乾燥など、一連のクリーニングを行ってくれます。
長年使って汚れてしまっていて今後数年は使い続けようとするなら、自力でダニ退治をするよりもおすすめです。
とあるベッドクリーニング会社の料金表を参考までに載せておきます。
ベッドマットレス・サイズ | クリーニング面 | 料金(円) | 作業時間(H) |
シングル | 片面 | 12,000 | 1.0~1.5H |
シングル | 両面 | 16,000 | 2.0~2.5H |
セミダブル・ダブル | 片面 | 15,000 | 1.5~2.0H |
セミダブル・ダブル | 両面 | 20,000 | 2.5~3.0H |
クィーン・キング | 片面 | 25,000 | 2.0~2.5H |
ベビー・キッズ | —- | 9,000 | 1.0H |
参考:クリーンネット
全国でベッドクリーニングを行っているサービスはこちらです。
・ダスタリー事業本部:http://www.dustary.co.jp/index.html
マットレスにダニ・カビを発生させない正しい扱い方
ベッド周りは何かとダニが発生しやすいイメージがあるね!
マットレスのダニ対策はカビ対策にもなるから、普段からやっておくことをおすすめします!
ダニの発生・繁殖しにくい環境を作る
ダニを発生させないためのポイントは以下の2点です。
- マットレスを掃除機がけし、ダニのエサを除去する
- マットレスに湿気をため込まず、ダニが繁殖しにくい環境を作る
マットレスは、使いぱなしにしておくと、同じ場所に湿気がたまったり、扱い方によって湿気が取り除けないことがあります。ダニが生息しにくい環境を作るためにも、湿気をためないように対策していくことが大切です。以下にマットレスの正しい扱い方を書いていきます。
マットレスは3ヶ月に1回上下表裏を置き換える
人は上半身に汗をたくさん書くので、マットレスを置いたらそのままの状態で使っていると、同じ場所だけに湿気がたまり、カビ・ダニの原因となります。3ヶ月ごとに1回程度マットレスを回転させローテーションしましょう。ほとんどのマットレスは左右対称で、表裏もないので4回転できます。1年でちょうど一周する計算です。
天地を置き換える → 裏返しにする → 天地を置き換える → 裏返しにする
へたりがちな、お尻や胸の部分のマットレスへの負荷が分散されるので、マットレスの寿命も延び、長く使うことができ、一石二鳥です。
カビを発生させないようにする
マットレスは布団のように丸洗いや天日干しができません。(一部可能なものもあります)一度カビが生えてしまうと完全に除去するのは難しく、カビの生えやすい環境はダニも好むためダニ刺されやアレルギーにもつながります。カビを発生させないことが、ダニの発生させないことにもなるため、注意したいところです。部屋の換気を定期的に行いたいところです。
マットレスを直接床に置かない
マットレスを直接床に置いてしまうと、汗の抜け道がないため湿気が床との間にたまってカビの原因になります。冬は床との温度差による結露もしてしまうため、スノコやベッドの上に置いて使うのが良いでしょう。
ベッドパッドを必ず使用し、マットレスに直接寝ない
マットレスに直接寝てしまうとマットレスに汗が吸収され湿気の原因になります。ベッドパッドを敷くと、ベッドパッドが代わりに汗や汚れを吸い取ってくれるので、必ず設置するようにしましょう。寝心地もよくなり、取り外して洗濯も簡単なので、清潔にベッドを保つことができます。
防水加工・撥水加工のマットレスプロテクターで、予めマットレスをカバーしていれば、マットレスへの汗や汚れの浸透を防ぐこともできます。
マットレスを通気・乾燥させる
マットレスにたまってしまった湿気も、時々風通しをしてあげると、除湿されて清潔さを保つことができます。晴れた日に窓を開けたり、エアコンや扇風機の風に当てるのも効果的です。換気のアイデアをいくつかご紹介するので、できそうなものを行ってみてください。
- 分厚いマットレスなら、側面を縦にして置く
- 壁に立てかけて、換気する
- マットレスとベッドの間に物を挟んで、隙間に風を送る
大きいマットレスだと扱いも大変ですが、可能であれば、3ヶ月に一度日光に当ててあげられると理想的です。
ベッドの下に物を置かない
収納ボックスなどベッド下に物を置いてしまうと通気性が悪くなりカビの原因になります。置く場合は、定期的にものを取り出し換気を行いましょう。
朝起きたら、布団を足元に半分に折り畳む
寝ている間に人間は200mlもの汗をかくと言われています。朝起きてそのままの布団をそのままの状態にしておくと、湿気の逃げ場がなく、マットレスにもどんどん湿気が吸収されていってしまいます。
朝起きたら、足元に布団を折りたたみ、布団や敷きパッド、マットレスに吸収された湿気を少しでも発散させるようにしましょう。
まとめ
マットレスのダニ退治法をもう一度おさらいしてみましょう。
- アイロン・ダニ駆除スプレーをかける
- 布団乾燥機で加熱する
- ダニ取りシートを設置する
- マットレス(ベッド)クリーニングを行う
ダニに発生してしまった場合、以上の方法でダニを駆除するのが良いですが、一番のダニ対策は「予防」です。
後半にお伝えしたマットレスの正しい取扱い方を参考に、ダニを発生させないように日ごろから対策をしておくのが一番です。