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「急に湧いた白や黒の虫、小さいけれどこれってダニなの?」「大量発生して気持ち悪い」ダニに刺されたかどうか判断したい」という場合には、大きさで虫の特定ができるかもしれないと思うことってありますよね。

ダニはアレルギーの原因になったり、刺されたりする可能性があるので、できればはっきりと判別したいものです。たとえそうでなくても大量に虫が湧いていたら、見た目にも衛生的にもイヤですよね。

ダニかどうか分かれば、適切な駆除や対策を練ることができるはず。
今回はダニの種類と大きさを比較してみました。

※虫の画像がでてきます。体調のすぐれない方は閲覧をお控えください。

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ダニって目で見えるの?種類と大きさ比較

ダニの大きさと種類

上の画像を見てもらえばわかりますが、ひとえにダニと言っても、小さなダニから大きなダニまでたくさんの種類のダニがいます。主に悩まされるのが、「アレルギー」の原因となるヒョウヒダニ(約0.3㎜)と、「刺咬被害」の原因となるツメダニ(約0.4~0.8㎜)です。「食品を加害」するコナダニ(約0.3~0.4㎜)などは、大量発生すると稀に肉眼でも見えるようになるものもいますが、体長はいずれも1㎜にも満たないダニのため、基本的には肉眼では見えません。

大きさ比較
「感染症」を媒介するような吸血をするイエダニ(約0.6~0.7㎜)・マダニ(約3~4㎜)は、先述のダニよりも体調が大きくなるため、肉眼でも見えることもあります。寄生する動物がいなくなるとエサとなる血液を求めて人へ移動することもありますが、マダニ・イエダニは屋外種のため、普段家の中には生息しません。
なので、肉眼で見える時点でマダニの様な特徴的なものでないかぎりは、別の虫の可能性が高いです。
以下にそれぞれのダニの特徴を書いていきます。

【屋内】ヒョウヒダニ類(チリダニ類)

 

 

 

 

引用:名古屋市

目視見えない
種類:コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ
体長:約0.3㎜
特徴:乳白色。室内塵におけるダニの出現率が最も多いのがヒョウヒダニ。ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニを合わせると約8割を占めます。チリダニの死骸・糞が砕けると、アレルゲンとして、空気中に飛散してしまい深刻なアレルギー症状の原因となっています。形態・生態ともに似ており、人間のタンパク質などを好む雑食。カビが発生するような高温・多湿を好み、温度・湿度の環境がそろうと爆発的に増殖します。

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【屋内】コナダニ類

引用:名古屋市

目視見えることもある
種類:ケナガコナダニ、ニクダニ、イエニクダニ
体長:約0.3~0.4㎜
特徴:日本全国に分布し、室内塵中や食品に発生する不快害虫です。人体に直接害を与えることはありませんが、味噌・砂糖をはじめとし、小麦粉・お好み焼き粉などの粉類、野菜やお菓子などあらゆるところに発生する可能性があります。開封した食品内で大量発生し、誤って食べてしまったことによるアナフェラキシーショックで死亡した例もあります。

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【屋内】ツメダニ類

引用:名古屋市

目視見えない
種類:ミナミツメダニ、ホソツメダニ、クワガタツメダニ(フトツメダニ)等
体長:約0.4㎜~0.8㎜
特徴:鋭い口器で他のチリダニ・コナダニを捕食します。チリダニが増えるとツメダニも増える傾向があります。間違って人を刺すことがあり、刺されると強烈なかゆみや皮膚炎などの症状が現れることがあります。吸血するわけではなく、皮膚を刺した際に微量の物質がアレルギー反応を引き起こし、かゆみとなります。主に、寝ている時に体の柔らかい部分を好んで刺します。朝起きてかゆかったらツメダニの仕業かもしれません。

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【屋外】イエダニ類

引用:名古屋市

目視見えない
種類:イエダニ、トリサシダニ、スズメサシダニ、ワクモ
体長:0.6~0.7㎜
特徴:吸血をしていない時は乳白色ですが、吸血をすると赤黒い色に変色します。主にネズミを宿主とし、ネズミが死んだ場合やネズミの巣内で大量発生すると、人のいるところに移動し吸血することがあります。家の中で鳥を飼っていたり、スズメなどの野鳥が家の近くで巣を作ったりすると被害にあうこともあります。

【屋外】マダニ類

引用:名古屋市

目視見える
種類:フタトゲチマダニ、キチマダニ、アカコッコマダニ等
体長:約3~4㎜
特徴:マダニ類は、森林や林、畑、あぜ道、庭先などの屋外に生息しており、人や動物にかみつき吸血します。登山や農作業中の被害が多く、マダニに刺されると日本紅斑熱やライム病などの感染症を媒介し、発症すると重症化することがあるので注意が必要です。最近は重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の存在が知られるようになり、最悪の場合死に至ります。そのため長袖・長ズボンを履くなどの対策が大切になります。また、マダニにかみつかれたら無理にとろうとすると、体液の逆流や頭がとれるなど、症状が悪化する可能性もあるので、噛まれたらすぐに近くの皮膚科に受診しましょう。
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【その他】タカラダニ

引用:京都府

目視見える
種類:フタトゲチマダニ、キチマダニ、アカコッコマダニ等
体長:約0.3~1㎜
特徴:タカラダニは5~6月の温かい時期になるとベランダやアスファルトの上で見かけるようになる、赤い色をしたダニです。一般的なダニとは違い、高温に強いのが特徴です。人を刺すことはありませんが、洗濯物や布団についたり、屋内に入ってくることもあり、潰すと体液で繊維を赤く染めてしまいます。体液が皮膚につくと炎症を起こすこともあるので、注意が必要です。

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ダニと間違えやすいその他の虫

ダニと間違えやすい虫としては「ノミ」「チャタテムシ」「トコジラミ(南京虫)」などがあげられます。大量発生している場合は、コナダニの他に、チャタテムシの可能性もあります。また、ダニに似たような刺され痕では、「ノミ」「トコジラミ」があげられます。
それぞれの詳細を以下にまとめてみました。

ノミ類

引用:名古屋市

目視見える
種類:ヒトノミ、ネズミノミ、イヌノミ、ネコノミ
体長:約2~3㎜
特徴:ノミはイエダニやマダニと同じで、吸血をする昆虫です。ぴょうんぴょん飛び跳ねたような刺し痕が特徴で、吸血されると赤くはれ、かゆくなります。日本では約70種類ほどが確認され、ヒトノミ、ネズミノミ、イヌノミ、ネコノミなど種によって固有の宿主がいますが、他の動物を吸血することもあります現在のノミ被害のほとんどはネコノミによるものです。猫から人へ人から猫へ感染症を媒介するケースもあるので、犬や猫などペットのノミ対策は必須です。

チャタテムシ

チャタテムシ
引用:札幌市/生活衛生

目視見える
体長:約1~2㎜
特徴:チャタテムシは別名「湿気虫」と呼ばれることもあり、その名の通り湿気のある場所を好み、カビを好みます。白っぽい色をしており、体長は1~2㎜ほどあるので、単体でも見えますが、大量発生して気が付くこともあります。雑食のため、古本をはじめ、米、新聞、畳などあらゆるところに存在します。人に対する直接的な害はありませんが、ダニと同じような環境で繁殖し、チャタテムシは人を刺すツメダニのエサにもなるため、チャタテムシが増えるとツメダニによる刺咬被害が増えます。また、チャタテムシの死骸は喘息などの呼吸疾患の原因となるため、大量発生した場合は対策が必要です。

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トコジラミ(南京虫)

引用:名古屋市

目視見える
体長
:約5~8㎜
特徴:別名ナンキンムシとも呼ばれ、人を吸血する虫です。刺されると激しいかゆみを伴い、人によっては発熱などの症状がでます。家具の隙間や寝具、ソファーなどに潜み、夜になるとはい出てきて吸血します。吸血した血液を糞として排出する特徴があるため、部屋の隅や壁など赤褐色の血の糞を見つけたらトコジラミが疑われます。

まとめ

  • 屋内のダニはほぼ見えない
  • 屋外のダニは見えるものが多い
  • コナダニも大量発生すれば肉眼で見えることがある
  • 白っぽい虫が大量発生したらコナダニ・チャタテムシの可能性も
  • ノミ・トコジラミの刺され痕はダニ刺されと間違いやすい

大きさを判断材料にすると「小さい虫=ダニ」の可能性が低いことがわかりました。今回ご紹介した虫以外の可能性もあるので、どうしても駆除したい、気になるという人は害虫駆除のプロに依頼するのもよいでしょう。

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