「朝起きたら体中がかゆい!」「かゆくて眠れない!」なんてことありませんか?
ダニと一口で言っても、かゆみの原因となるダニは「ツメダニ」ということはすでにご存じですね。寝ている間に刺されたときのダニ刺されの原因はほぼ「ツメダニ」と言っていいでしょう。
イエダニやトコジラミもツメダニの刺されに似ていますが、衛生的な家屋になっている現代では刺される可能性は少なくなりました。また、ペットを飼っているのでなければノミもあまり見かけなくなりました。
ツメダニに刺されると非常にかゆいため、できるだけ早く対策したいところですよね!さっそく、気になるツメダニについて見ていきましょう。
ツメダニの生態と特徴
引用:東大阪市役所
節足動物門クモ形綱ダニ目前気門亜目ツメダニ科
種類:クワガタツメダニ、ホソツメダニ、フトツメダニ、ツヨツメダニ、アシナガツメダニ、タタミツメダニ、ヤソツメダニ、ウサギツメダニ、ネコツメダニ
大きさ | 0.3~1.0㎜ |
生息場所 | カーペット、畳、布団、ソファなど |
エサ | チリダニ等(ヒョウヒダニ、コナダニ)、小昆虫等(チャタテムシ等) |
特徴 | チリダニやチャタテムシを捕食するため、チリダニが増えると、ツメダニも多く発生。8~9月に特に増殖し、刺咬被害が増える。間違って人を刺し体液を吸うことで、かゆみを生じることがある。 |
ツメダニはチリダニやチャタテムシなどをエサとするため、それらのエサとなる虫が増えると、ツメダニも多く発生する傾向があります。基本的にダニは高温多湿の環境を好み、温度20~30℃、湿度60~80℃で急激に繁殖します。
カーペットや畳は、温かく湿気を留めやすいため、チリダニの格好の住処となります。チリダニ等がいるところにツメダニは増えるため、チリダニ同様、カーペットや畳に多く存在します。生息場所は基本的にあらゆる場所にいるため、カーペットや畳に限らず、布団やソファなどでも刺されることがあります。
ツメダニに刺されたときの症状と特徴
引用:ダニ駆除ザウルス
刺された発疹などの症状を見ただけで、ダニが原因かを判断することは医者でも難しいと言われており、自分でダニ刺されと判断することは難しいかもしれません。しかし、その症状から「もしかしたら?」と判断できれば、かゆみや対策ができるかもしれませんよね。
以下にツメダニに刺されたときの特徴をご紹介しますので、参考にしてみてください。
強烈なかゆみがでる ※蚊の数倍のかゆみ
かゆみは刺されてから数時間~数日後に発現
かゆみは1~2週間と長く続く
刺された痕が残る
肌の柔らかい二の腕、お腹、太ももなどを刺す
夜寝ている間に服の中を刺されることが多い
刺され箇所が2か所以上 ※複数個所刺す場合がある
ツメダニの症状の特徴としては、「強烈なかゆみ」と「かゆみが長く続く」ことです。蚊の数倍のかゆみで、かゆくて寝られないこともあるほど。ついつい掻いてしまうため、小さい子供はかき壊して、とびひなどにならないよう注意が必要です。
夜行性で肌の柔らかい場所を好んで刺すため、朝起きて服の中がかゆいと感じたら、ツメダニによるダニ刺されかもしれません。刺し口が2つあったらダニの仕業と言われていますが、実際には刺し口が2か所あるからと言って、ツメダニとは断定できるわけではなく、ツメダニ以外の可能性もあります。※1
また、ツメダニのかゆみはアレルギー反応の1つで、ダニが体液を吸う際に、ダニが持っている毒成分や唾液成分が体の中の抗体と反応してしまうことからおきます。その中でも刺されてから時間がたって反応がでる遅延型反応です。刺されたときは気が付かず、あとからかゆくなるのは、そのためです。
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ツメダニと他の虫に刺されたときの症状の違い
蚊はダニ刺されと違い、刺されてもすぐにかゆみが早く治まります。また、蜂に刺されると強烈な痛みがあるので、すぐに違いがわかります。家の中で刺さされの原因としては、他に、イエダニ、ノミ、トコジラミの可能性があります。
トコジラミは人が寝ている夜に、顔や首、手、足首などを刺します。イエダニはツメダニと同じで肌の柔らかい二の腕や太ももなどを刺します。ノミは主にネコノミで、膝から下を刺します。
いずれも猛烈なかゆみがでるので、刺された場所で判断ができるかもしれません。
ペットとしてトリやウサギなどを飼っている家庭では、ワクモやトリサシダニにも注意です。
※1:科学バー/ダニに刺されると穴2つは本当か
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ツメダニの対策・駆除方法
布団のツメダニ駆除
掛け布団、敷布団、枕のツメダニは以下の方法で駆除することができます。
- 布団クリーニングで加熱駆除・洗浄
- コインランドリーで40分ほど加熱駆除
- 布団乾燥機で50分ほど加熱駆除
- スチームアイロンをかける ※素材が問題なければ
加熱駆除がメインですが、アレルゲンの除去まで考えるなら布団クリーニングは確実です。
POINTタオルケットや毛布類は、70℃程度の熱湯につけるか、家庭用乾燥機や洗濯機の乾燥機能でダニを熱殺してから洗濯するとダニを除去できます。また、シーツやカバー類は洗濯するだけでもダニを除去できますが、タオルや毛布と同じように加熱駆除してから洗うとより効果的です。
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畳のツメダニ駆除
畳のツメダニ駆除方法は様々ですが、家庭でできる方法は以下です。
- ダニ駆除剤を畳に散布する
- 掃除機を丁寧にかける
- ダニ取りシートを設置する
畳のツメダニを駆除する方法として、他には畳を天日干ししたり、業者に加熱処理してもらう方法がありますが、一般家庭で行えるツメダニの駆除方法は、市販の畳専用のダニ駆除剤を使うか、ダニ取りシートを設置するしかありません。窓を開けて風を通すことも有効ですが、ダニ駆除効果はそれほど高くありません。掃除を丁寧にかけることで、ある程度のツメダニを除去することができます。
カーペットのツメダニ駆除
カーペットの内部には非常に多くのダニが存在しており、神奈川県衛生研究所のデータによると110,000匹/1㎡もいるとの結果がでています。カーペットはラグの様な小さなものであれば、素材により乾燥機や洗濯、天日干しなどができますが、大きなものになってくると、方法は限られてきます。移動が難しいほど大きいカーペットのダニ駆除方法としては、以下の3つの方法があげられます。
- ダニ取りシートを設置する
- 掃除機やコロコロをかける
- ダニ駆除スプレーをかける
掃除機やコロコロ、ダニ駆除スプレーは表面についたダニを除去・駆除するには効果がありますが、内部に隠れたダニを駆除しなくては意味がありません。カーペット内部に隠れたダニを駆除するには業者に依頼すれば、薬剤やスチーム駆除をしてもらえます。家庭で行うならダニ取りシートを設置すれば、内部に隠れているダニもおびき寄せて駆除できます。ダニ除けスプレーとの組み合わせがベストです。
その他の場所については、場所別のダニ退治・対策にまとめましたので、ご覧ください。
まとめ
ダニ刺されの原因となるツメダニの特徴と症状・駆除方法についてお伝えしました。ツメダニはチリダニやチャタテムシがいるところには、どこにでもいるので、ツメダニに刺されないようにするためにも、日ごろからチリダニを増やさないように、掃除機がけ・換気などを定期的に行うことが、ダニの繁殖予防につながります。