「ダニを熱湯で駆除できるのでは?」と考えたことありませんか?
ダニの熱湯駆除はダニが熱に弱いということを知っているひとなら、一度は考ええたことがあるはずです。でも、「熱湯なら確実にダニを殺せて、しかもお金も、手間もかからないから良い方法なのでは?」なんて、安易に思ってしまうのは要注意です。
結論から言えば、熱湯でダニを死滅させることは可能です。しかし、熱湯をかける素材によっては、生地を傷めてしまう可能性があります。
また、ものによっては熱湯をかけるよりも手間をかけずにダニを死滅させる方法もあるので、必ずしも熱湯にこだわる必要はありません。どうしてもやりたいという人以外は、熱湯以外の殺ダニ法を検討してみるのもよいかもしれません。
ダニには熱湯だ!って殺菌し始めたはいいが熱湯足にかかって軽い火傷した痛いwww
— こまり (@kot0mako) 2018年12月8日
お湯かけてからやるとダニ全部死んで楽だと聞いたような。
熱湯じゃなくて、70度とかそんな温度だったかな。— フレイリーモルコット@猪獲りたい (@Fiyremolkot) 2018年11月25日
目次
1.ダニを熱湯で死滅させられる?死滅温度は?何℃が良い?
熱湯でダニが退治できるなら、お湯をわかすだけでいいから経済的ね?
安易に熱湯を使うと、素材を傷めてしまうことがあるから注意が必要ダヨ!
ダニに熱湯をかけると、ダニの成虫、幼虫、卵共に一瞬で死滅させることができます。ダニは高温に弱く50℃以上の高温で20分程度で死滅することがわかっています。
ですが、わざわざ100℃の熱湯をかけるのは取扱いの面でもやけどの危険があり、熱湯をかけるものによっては素材を傷めてしまう可能性があるので、注意が必要です。
60℃以上で瞬間的にダニが死滅するとも言われているので、60℃を一つの目安にして安全に配慮するとよいでしょう。
・チリダニ科コナヒョウヒダニ,ツメダニ科クワガタツメダニ,Cheaicarcipsis sp .,コナダニ科ケナガコナダニを温度50℃,湿度23〜25% R.H,下に置くと,10〜20分で死亡率 100%となった。
・コナヒョウヒダニをビニール袋に入れて50℃に加熱すると,10分間以内に死亡した。
引用:家屋内生息性ダニ類の生態および防除に関する研究(8)(吉川 翠)
アレルゲンはどうなるの?
ダニの死骸やフンなどのアレルゲンは水溶性のため、水に溶けて取り除くことができます。
熱湯に浸した後、もみ洗いすればアレルゲンを除去することが可能です。
ダニアレルギーの方やダニアレルギーの可能性がある方は、心配であれば、その後洗濯機で洗濯するか、乾燥した後に掃除機をかけてダニアレルゲンを除去するようにしましょう。
2.熱湯は到達温度60℃が大切!
大きなものは中まで温めるのが大変なのよね。
中まで熱を通さないとダニは死なないから、お湯の温度は高めがいいヨ!
ダニを高温駆除する際には60℃以上の温度が必要です。布団やクッションに熱湯をかけようと考えると思いますが、厚みのある素材に熱湯をかける場合は内部に到達する温度が60℃ある必要があります。お湯が内部に浸透するまでに冷めてしまうと効果がないので、たっぷりのお湯で長時間流すか、高温の熱湯をかけると良いでしょう。
クッションや枕など、それほど大きいものでなければ、お風呂場やたらいに60℃以上のお湯を張り、じっくり浸す方法も効果的です。「お湯をかける」、「お湯に浸す」いずれの場合も、70~80℃ほどにお湯を温めておけば、60℃で内部まで温められるかもしれません。
熱湯でダニ退治するときの注意点
でも熱湯で素材を傷めたりしないかしら?
モノによっては素材を傷めることもあるから注意して行おう!
とはいえ、熱や水に弱い素材があり、すべての物に熱湯によるダニ駆除が可能かと言えば、そうではありません。以下に、熱湯でダニを駆除するときの注意点をかいていきます。
布団に熱湯をかけるときの注意
綿素材の掛け布団・敷き布団であれば、熱湯によるダニ駆除は問題ありませんが、しっかり乾燥させないと逆にカビやダニの繁殖する原因となってしまうので注意が必要です。
高価な羽毛布団の場合、シルク素材であることがあります。シルクは熱に弱いため、熱湯は素材を傷めてしまい、質感を大きく変えてしまう恐れがあります。
また、羽毛自体もしっかりと乾燥させないと、獣臭さの原因にもなります。一般家庭では気象条件などがよくないと、中の羽毛を完全に乾燥させることは難しいので、行う時は自己責任の下行うようにしてください。
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マットレスに熱湯をかけるときの注意点
ベッドマットレスに直接熱湯をかけるのはお勧めしません。ダニは駆除できるかもしれませんが、濡れたマットレスを乾燥することはとても労力がかかり、スプリングやコイルマットレスなどの金属を使用しているものは、その後サビなどにより使用感を大きく損ねかねないからです。
スプリングや金属を使用していないマットレスであれば、素材によっては熱湯をかけても大丈夫な可能性がありますが、いずれにしても乾燥させるのが難しいので、あまりおすすめしません。
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枕・ソファに熱湯をかけるときの注意点
マットレスにも言えますが、まくらやソファはポリウレタンを使用した、低反発ウレタンやウレタンスポンジなどの素材を使っていることが多いです。
一般的にポリウレタンは水に弱く、水に濡れると壊れやすくなるので、熱湯をかけなないほうがいいでしょう。ポリウレタン素材の場合は、やるのであればカバーだけを取り外して熱湯をかけるようにしましょう。
中には水に濡れても大丈夫な素材もあるので、大丈夫かどうか洗濯タグをよくチェックしてから行うようにしましょう。
また、枕に使われるラテックスやビーズ、エフアファイバーは熱に弱い素材のため、素材を傷めかねません。なので、熱湯以外のダニ退治方法を実践するといいと思います。
大きくて動かしにくいソファやマットレスはダニ取りシートがおすすめです。一方、枕など比較的小さいものであれば、天日干しや洗濯、ダニ駆除スプレーなどもおすすめです。それぞれダニ取りシートは、「人気のダニ取りシート比較!おすすめランキングBEST6【エビデンスあり】」、ダニ駆除スプレーは「ダニスプレーおすすめ11選!効果的にダニ退治できるのはどの商品?」の記事を参考にしてみてください。
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畳に熱湯な絶対ダメ!
畳に熱湯をかけようとする人は中々いないかもしれませんが、畳に熱湯をかけるのは絶対ダメです。
畳床(畳の中の芯)を傷める可能性もあり、そもそも乾かすのが非常に難しいです。
市販品で畳専用のダニ駆除剤などもあるので、以下のリンクを参考に別の方法を試してみてください。
3.熱湯は素材を傷めるからNG!?素材の特徴を知ろう!
素材の特徴を知っておけば、ダニ退治以外にも役立ちそうね!
素材によっては、シワ、縮み、崩れなどいろいろ変質する可能性はあるから、知っておくと便利だね!
カーペットや絨毯、布団にソファ、カーテンなど、ダニはどこにでも生息している可能性があります。素材によっては生地を傷めてしまったり、縮んだりしてしまう原因になります。いきなり熱湯をかけたり、お湯に浸したりする前に、素材の特徴を知っておきましょう。
素材 | 特徴 | お湯 | ||
天然繊維 | 綿 | ・水・熱に強い ・シワ・縮みやすい | 〇 | 熱湯をかけても大丈夫!お湯に浸す程度ならok。乾燥に注意が必要 |
毛(羊毛・獣毛) | ・熱・摩擦に弱い ・縮みやすい | △ | 熱湯はNG。お湯をかけると縮みやすいです。洗濯など摩擦は毛玉の原因に。 | |
絹(シルク) | ・摩擦に弱い ・取扱いに注意 | × | 水、熱湯はNG。 | |
化学繊維 | ナイロン | ・熱に弱い ・シワ・縮みにくい | × | お湯はNG。 |
ポリエステル | ・熱に強い | ◎ | 熱湯をかけても、浸しても大丈夫! | |
アクリル | ・熱に強い | ◎ | 熱湯をかけても、浸しても大丈夫! | |
ポリプロピレン | ・熱にとても弱い | × | お湯はNG。 | |
再生繊維 | レーヨン | ・水に弱い ・濡れると強度が低下する ・縮みやすい | × | 水、熱湯はNG |
※効果を保証するものではありません。参考までにお使いください。
絨毯やカーテンはポリエステルやアクリルを使った素材のものが多く、ソファや布団は綿を素材としたものが多いです。それぞれの素材を組み合わせた生地もあるので、洗濯表示タグがある場合は、確認をしておくとよいでしょう。
シルクで作られた高級絨毯や羽毛布団などの場合は、取扱いが非常に難しいので、専門業者にお任せする方が無難です。
4.熱湯をかける・お湯に浸してダニ退治する必要があるか?
熱湯以外にダニを退治する方法はないの?
色々なダニ退治法があるから、熱湯を使う時は用途や素材を絞って使うのがポイント!
ダニを退治するのに、熱湯をかけて死滅させる以外にも様々な方法があります。熱湯を選ぶ必要があるかをよく検討しましょう。というのも、お湯をつけた以上、必ず乾燥が必要になるからです。
確かに熱湯での殺ダニ効果は高いですが、厚手・大物ほど脱水・乾燥が難しいため、安易に行うと後が大変です。布団の場合、水でひたひたに濡れた布団は重量が何倍にもなり、一般家庭で乾かすのは非常に大変です。
- 部分的に熱湯をかける
- 乾きやすいものに熱湯をかける
- 熱湯以外の殺ダニ法を検討する
などして、天気や乾燥する手段もよく考えてから熱湯でのダニ駆除を行うようにしましょう。
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5.海外は洋服のダニは熱湯で駆除して洗濯が当たり前?
え?海外ではお湯で洗濯するのが当たり前だったの!?
ダニは熱に弱いからお湯で洗濯するのは、効果的だね!
お願いです。#家電メーカー 各社様。熱湯で洗える洗濯機がドイツにあると聞きました。日本でも出して下さい。ダニがついた衣類を一網打尽にするには加熱が1番なんです。乾燥機では熱が服の縫い目に伝わらないのです。60分、加熱させて下さい。それによる服へのダメージは自分で責任とりますから。
— いもこいも (@oimo_kaachan) 2018年10月4日
熱湯でダニ退治するなら、洋服をお湯で洗濯するのも有効です。ダニは熱に弱いため、高温になればなるほど動きが鈍くなり、死滅しやすくなるからです。以下の動画はダニを高温にさらした場合の実験動画です。
閲覧注意:ダニの映像が出てきます。体調のすぐれない方は閲覧をお控えください。
ダニは洋服の中についているケースも多く、特にしまってあった服を着るときはダニが繁殖している可能性もあります。洗えるサイズのものだったら、お湯で洗うのも効果的です。
日本ではあまり見かけませんが、海外ではお湯を使った洗濯が一般的で、洗濯機もお湯に対応した作りになっています。温度設定ができるものが多く、場所によっては90℃以上の熱湯での洗濯できるものもあるそうです。(参考:スイスは95℃の熱湯で洗濯する!? 「お湯で洗濯する」ことのメリットとは)
汚れは温度が上がるほど落ちやすく、臭いや除菌にも効果を発揮します。しかも、50℃以上のお湯で洗濯ができれば、ダニも死滅させることができダニ駆除効果は抜群です。
日本では海外との水の硬度の違いからお湯を使った洗濯は有効でないため、温水洗浄できる洗濯機は限られていましたが、最近少しずつお湯の使える洗濯機も増えてきました。
熱湯での洗濯が有効なもの
- シーツ、枕カバー、タオルケット
- 下着、パジャマ、洋服類
- ソファカバー
- カーテン、レース
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6.熱湯以外の殺ダニ法
物によって、ダニを死滅・駆除させるのに有効な方法は異なります。寝具関係であれば、布団乾燥機、布団丸洗いが有効です。
洗いにくいものなどはダニ捕りシートが万能で使いやすいです。部分的な使い方をするのであれば、ダニ駆除剤も安価で有効です。
以下に殺ダニ法をまとめてみました。殺ダニの方法によっては、ダニアレルゲン除去のため、掃除機をかける必要があります。
布団 | 布団乾燥機、布団丸洗い、ダニ取りシート >>詳細 |
タオルケット | 熱湯、洗濯、乾燥機 |
毛布 | 洗濯・乾燥機(素材による)、布団丸洗い |
シーツ、カバー類 | 熱湯、洗濯 >>詳細 |
ぬいぐるみ | ダニ駆除剤、熱湯・洗濯(素材による)、ダニ取りシート >>詳細 |
ソファ | カバーを外して洗濯、ダニ取りシート >>詳細 |
マット、カーペット | ダニ駆除剤、ダニ取りシート、熱湯(素材による)、洗濯(サイズによる) |
畳 | ダニ駆除剤、ダニ取りシート >>詳細 |
フローリング | ダニ駆除剤、掃除機(ダニは死なない) |
まとめ
ダニを殺すのに、ぐつぐつ沸騰した熱湯をかける必要はないということがわかりましたね。100℃の熱湯は取扱いが大変で、やけどの危険もあります。ダニを死滅させるには、60℃以上の温度があれば十分なので、殺ダニしたい部分が60℃以上に温められるようにしましょう。
また、ダニを熱湯で駆除する以外にも「熱湯に浸す」「お湯で洗う」ことも、殺ダニに有効ですので、素材やものに合った方法でダニ駆除をするようにしましょう。
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