アレルギー症状がでる、ダニに刺されたなんていう時に疑いたくなるのは、普段触れることの多いカーペットですよね。
カーペットはダニの温床というイメージで、ついついアレルギーの原因と思いがちですが、実はそれは全くの無実。布団のダニが原因だったりします。
そんなカーペットですが、アレルギーとは関係ないものの、ダニ刺されには関係があったり、手入れをしっかりしないと、本当にダニの温床になりかねません。
今回はカーペットのダニ対策とダニを増やさないためのお手入れについてお伝えしていきます。
目次
実はカーペットは空気をきれいにしてくれる床材
ダニはアレルギーに深く関わっており、ダニの死骸やフンなどが砕けた微粒子がアレルギー疾患を引き起こす原因にもなっているというのはご存知ですよね。
しかし、カーペットのダニが原因で小児喘息などのアレルギーを引き起こしているというイメージがありますが、実はカーペットとアレルギー発症には関連性がないということは意外と知られていなかったりします。西宮市の実験でこのことが明らかにされました。
西宮市は平成元年2~3月にかけ、西宮市立幼稚園、市立小学校、市立中学校の学童などを対象に、喘息調査を実施(調査票配布4万7千枚、回収4万枚)しました。
それによると、子どもたちの寝室などの床材と各症状(ぜん息、アトピーなど)の有症率は下表の通りで、喘息の有症率が最も低い床材はカーペットでした。また、他のアレルギー疾患においてもカーペットは他の床材との有意差はありませんでした。
引用:日本カーペット工業組合
ラグやカーペット、絨毯にはほこりが舞い上がりにくい「ダストポケット効果」というものがあり、パイルや繊維についたホコリがハウスダストを吸着し、空気中にダニの死骸やフン、ハウスダストが空気中に舞い上がるのを抑えてくれます。その舞い上がり量は1/10になるため、カーペットを敷いていた方が空気中のハウスダスト量は抑えられます。
そのためには、普段からカーペットに掃除機を掛けて、カーペットのお手入れをしっかり行う必要があるので、日ごろからカーペットの手入れについて気をつけたいところです。カーペットの日ごろのお手入れの仕方については、後述していきます。
今すぐに見たい!という方は以下からご覧ください。
日ごろからできるカーペットのメンテナンス
カーペットのダニ駆除法7選
ダニアレルゲンを減らすためには、ダニの駆除し、日ごろからダニを増やさないことが大切です。アレルゲンは掃除機で除去できても、生きているダニは「繊維にしがみつく」性質があるため、取り除くのは困難なため、一度ダニを死滅させる必要があります。
ダニを駆除する方法としては、
- 薬剤による駆除
- 加熱による駆除
の2つのやり方があります。ダニ駆除の方法は様々あるので、自分に合うやり方を選んで行う様にしましょう。
「ダニ駆除剤+ダニ取りシート」などのように、ダニ駆除グッズを併用するとより効率的にダニ駆除することができます。詳しいやり方について、以下でご紹介していきます。
ダニ駆除剤(パウダー・空間・スプレータイプ)
ダニ駆除剤はメーカーなどから様々なタイプのものが販売されています。薬剤の利用は速効性があるため、時間がない家庭には向いています。
しかし、化学殺虫成分を使用してダニを駆除するものは、小さいお子さんがいる方や薬剤の使用に抵抗がある方は、別の方法がおすすめです。
ダニアースパウダー【アース製薬】
価格 | 810円 |
パウダーをカーペットに撒いて、掃除機で吸い取ることでダニやノミを駆除できます。毛先の長いカーペットの奥まで入り込んでダニを退治します。薬剤が残らないようにしっかりと掃除機をかけるようにしましょう。
ダニアースレッド【アース製薬】
価格 | 810円 |
ボタンを押すと薬剤を空気中に噴霧し、部屋中の隅々まで薬剤をいきわたらせてダニを退治します。タンスの裏など日ごろ手の届かないところに対策ができるのは嬉しいですが、事前に薬剤を撒くための準備が必要で、一時的に部屋に入れなくなります。
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ダニ駆除スプレー
価格 | 638円 |
スプレーを巻くと液体の付いたところにいるダニを駆除します。忌避効果のあるものもあります。表面のダニは駆除できますが、奥に潜むダニは駆除することができません。
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ダニ取りマット(設置)
価格 | ダニ取りマット2枚セット:(小)3,120円/(大)3,780円 |
ダニ取りマットはダニ取りシートのサイズの大きいもので、ダニ取りシートと同様ニオイでダニをおびき寄せて捕獲します。ダニ取りマットは多くの種類がありますが、捕獲したダニを100%駆除できる『ダニ捕りロボ』がおすすめです。3ヶ月間効力を発揮し、使用後は燃えるゴミで捨てるだけです。
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スチームアイロン
乾燥や低温に弱いダニですが、実は60℃以上の高温では一瞬で死滅してしまいます。アイロンのスチームなら、100℃前後の蒸気を発射できるので加熱によりダニを駆除することができます。
スチームアイロンはパイルをつぶしてしまわないように、少し浮かせた状態で1か所に3~5秒ほど噴射するのがポイント。少しずつ移動しながら全体にスチームをあてていきます。浮かせるのがつらい人は、当て布をしてアイロンを移動していきましょう。
スチーム後は湿気を飛ばすために、カーペットの下に厚みのあるものをいれ、空気を送り込んで乾燥させるか、天日干しをするなど、しっかり乾燥させるようにしましょう。
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熱湯
タイルカーペットや小さめのラグなどの場合、熱湯で直接ダニ退治するという方法があります。スチームアイロンと同様、熱によりダニを死滅させられます。
お湯でひたひたになってしまうので、乾燥に時間がかかるところです。可能であれば洗濯機で脱水するか、バスタオルなどで水気を取ってから天日干しして、しっかり乾かすようにしましょう。
ダニを熱湯で駆除は間違い!?素材やものに合わせた適切な殺ダニ法
洗濯
柔らかい素材のカーペットであれば、洗濯をすることで、ダニを除去できる可能性があります。
しかし、毛先の長いモノはダニを一度死滅させるか、弱らせる必要があるので、乾燥機にかけるか、熱湯に浸した後に洗濯するのがおすすめです。アレルゲンは水溶性で洗い流せるので、洗濯表示タグを確認し、可能なモノであれば、洗濯がおすすめです。
ホットカーペットのダニ退治機能
ホットカーペットは電気毛布と同様に「ダニパンチ」「ダニアウト」といったダニ退治機能が付いています。これはカーペットや電気毛布の温度を高くしてダニをやっつけるというものです。
敷きっぱなしのホットカーペットで、モードを切り替えただけでは完全に熱が伝わるまでに時間がかかるうえ、あまり効果がありません。正しい使い方は以下です。
① ホットカーペットの裏面を外側にして丸めて紐でしばる
② 電源スイッチをいれて「ダニ退治モード」に設定する
③ 布団、こたつ布団などを掛けて熱が逃げないようにして、1~2時間置く
④ 完了したら、ホットカーペットを広げ掃除機を丁寧にかける
おすすめは『ダニ駆除剤+ダニ取りシート』
ダニの駆除はダニ対策グッズを併用するとより効果が期待できます。カーペット表面のダニはダニ駆除剤で駆除し、奥に残ったダニや運よく生き残ったダニは、ダニ取りシートでおびき寄せて捕獲・駆除します。
ダニ取りシートはダニを捕獲し続けるので、ダニの繁殖を抑える繁殖予防策にもなります。
ダニを駆除したら掃除機がけでアレルゲンを除去しよう
ダニを死滅させると、ダニの死骸が残ります。これらは細かく砕けてアレルゲンとなってしまうので、ダニを駆除したら、すぐに掃除機をかけるようにします。
ダニの死骸をしっかり取り除くためにも、掃除機はカーペットの4方面から十字にかけ、毛の置くまでしっかり取り除くようなイメージで丁寧にかけましょう。
カーペットのダニを増やさない日ごろからできる対策
ダニは温度・湿度・エサの環境がそろうと爆発的に繁殖します。ダニが繁殖しやすい環境は以下です。
気温 | 20~30℃ |
湿度 | 60~80% |
エサ | 人のフケ、髪の毛、皮脂、食べかす |
また、一方で低温・乾燥には弱いので、換気等で温度・湿度を下げてエサを取り除けばダニの増殖を抑制することができます。では、具体的な方法を見ていきましょう。
① 2~3日に1回掃除機をかけてゴミ・エサ・アレルゲンを取り除く
できれば毎日掃除機をかけるのが望ましいですが、難しい場合は2、3日に1回、少なくとも1週間に1度はカーペットの掃除機掛けを行いたいものです。
掃除機をかけることによって、カーペット中のほこりなどのゴミやアレルゲンを除去できるほか、ダニのエサとなる髪の毛や、皮脂、食べカスなども取り除けます。エサが減れば、必然的にダニも少なくなて行きます。
ポイント:カーペットに掃除機をゆっくり上下左右からかける
カーペットは毛があるので、上下左右、あらゆる方向から掃除機をかけるようにしましょう。
② 敷物をめくって湿気を除去
カーペットは湿気がたまりがちになるので、窓を開けて換気をしながら、半分にカーペットを折りたたみ、湿気を取り除きます。
右半分をめくったら、次は左半分と行い、30分~1時間ごとに折り替えしましょう。
③ 天日干しでカーペットを通気・乾燥させる
小さいカーペットであれば、天日干しをして風通しをしてあげるとダニが繁殖にくくなります。太陽の熱で多少の殺ダニ効果も期待できます。
とりこんだら掃除機掛けをして、ホコリやダニを取り除きましょう。
まとめ
- カーペットとアレルギー発症については無関係
- カーペットを敷くとアレルゲンの曝露が抑えられる
- しかし、カーペットはダニの温床にはなりやすい
- 日頃からダニを駆除しアレルゲンを減らすことも大切
- おすすめは「ダニ駆除剤」+「ダニ取りシート」
実はフローリングの方がアレルギーの発症に関与していたのは驚きですね。アレルギー、ダニ刺されのいずれにしても、日ごろのお手入れがポイントになります。できるだけ手間や負担をかけずに、ダニ対策していきたいですね。
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